棟が上がったのは少し前ですが、先週末に改めて上棟式をさせて頂きました。
上棟式といっても、30分くらいの短時間ではあるのですが、お施主さんと現場の職人とが改めて顔を合わせて団結するための会のような感じがしました。
構造骨組み作業後初めて室内を確認させて頂きました。
今にも地面で寝ころべるくらい綺麗で気持ちよかったです。
写真にある通り、垂木、野地板(垂木の上の材)は節が少ないきれいな材を使っていて、完成時に見えてくるものです。それ以外の材は塗り壁などで隠れる材です。
表面に見えるところ、見えないところの材を使い分けることによって適材適所完成時により木を綺麗に見せることができます。
綺麗な材はより丁寧に育て製材しているものなので、ほかの材と比べると少し高価にはなるのですが、リビングダイニングの見せ場には惜しみなく綺麗な材を使って表現するようにしています。
家づくりにとってとても大事なことの一つとして、メリハリをつけることだと思っていてどこが見せ場でどこに費用をかけるのかを見極めることがいい家づくりの秘訣になってきます。
これは設計プラン段階から始まっていて、何もかもを満たそうとしてしまうと、予算に限りがあるので、満遍なくしてしまうと、もっとも家族にとって大切な場所が中途半端になってしまいます。
計画時においてこれもあれもと夢を見がちになってしまうのも仕方ないことですが、この時点で利用頻度の多い空間などを優先させることができたら、とてもいい家づくりができます。
今回写真のところは綺麗な材が天井に見え、開けた南側に向けて大きな窓が三連並んで、景色を取り込む家になっています。
この空間がメインで優先することは使い勝手を少し度外視したとしても家族にとっての精神的な安らぎを得るために必須なものだと感じています。
さて、工事は思っている以上に進んでいて、断熱材の工事されていました。
今回初めて、天井断熱において、グラスウールの下に付加断熱としてボード系の断熱を入れました。
これはいいなと思いました。
グラスウールだけの場合はグラスウールの下に気密シートを張り気密を確保するのですが、このボードを使うことによって気密と断熱を両方得ることができるのです。
ボード系の断熱材は繊維系よりも≒2倍の熱抵抗があるので、薄くすることができる点もあります。
また別の日にお話ししますが、桁(2階の外周面の梁)の高さ、棟木の高さは家づくりにおいてとても重要な点と考えていて、高すぎず低すぎず最もバランスの良い高さを狙ってます。そのために断熱材の厚さなどもこのことに影響しています。
先ほどのコストバランスの話と同じく、色んな要素を全体を通して、いかにバラン良く組み立てていくかが設計のみせどころです。