今回縁の軒には昔懐かしい小舞の軒を採用したのですが、いい雰囲気のものができたのご紹介します。
垂木が見える天井なので、屋根全体の幅から垂木を割付をして規則正しく並べることから始まります。
今回は南東2面の屋根のために、角には寄せ棟入って、カネ2面に垂木が並んでます。
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この垂木の上に板を貼ってその上に屋根を架けておしまいっていうのが通常の軒のやり方なのですが・・・
今回は垂木の上に横の桟(小舞)を入れました。
そうすることで、通常よりも倍の手間がかかるのですが、そこまでしてやる価値は何なのか・・・
気になるところだと思うのですが・・・
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上の写真が横桟を入れた写真です。この横桟を小舞(こまい)っていうのですが、垂木に打ち付けて止めています。この小舞も等間隔に入れることで規律的な美が生まれてくるんです。
垂木、小舞ともにきれいに割付できるかできないかで見え方がかなり変わってくるのですが・・・
今回はすべて大工さんがやってくれました。
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もうこの時点でいいものができる匂いはしますね(笑)
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この小舞の上に杉板の天井を貼るのですが、この板は流れ(勾配)方向に板を貼るので、小舞に取り付けてないといけない繊細な仕事です。断面が小さいので上から慎重にしないと釘がでちゃいます。
この小舞が大きすぎると見た目もゴツくなるので釘が留めれるギリギリの寸法にしています。
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完成がこんな感じです。
どうですか?
室内にも一部見えるようになってるのですが・・・
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こんな感じです。
何か懐かしい感じがするでしょーー。
大工さんの繊細な小細工として、小舞の断面の写真を見ると
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上の部分の角を少し落としているがわかると思うのですが、これはこの上の杉板を貼った時に微妙に透かせて影を作ってるんです。
2枚上の写真をもう一度見てみると、小舞と板との際がぼんやり影ができているのがわかると思うのですが。
1mmのことなのですが、この繊細な手間暇で部屋の雰囲気がさらに落ち着いた品のあるものになるんですよ。
私がいわないと誰もこの手間は気づかないことなのですが、大工さんはこの微妙な違いをこだわって手間暇かけてやってくれているのです。
べつにやらなくてもだれもわからないのに。そこにひと手間かけれるってすごいなと思います。
「いいものを作りたい」
「お施主さんにいいものを届けたい」
という純粋な職人魂みたいなものなんだと思います。
私もぎりぎりこのことに気づけてよかった。
気づかなくて手間暇かけてくれてるところは数多いんだろうな
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![](https://froh-arch.net/froh/wp-content/uploads/2020/12/128792931_789694194946390_4362906063306111750_n.jpg)
先ほどもお伝えしましたが、この天井は室内にも見える箇所があるので、
板の上にまた垂木をして、断熱材を入れてまた屋根のための野地板を貼ってと、2重に屋根の下地をしているので、いつもの2倍の手間暇かかってます。
![](https://froh-arch.net/froh/wp-content/uploads/2020/12/IMG_0148-1.jpg)
現物を見てもらえるとよくわかるのですが、横桟を入れることで垂木が軽やかに見えるのと、縦、横と重ねえた陰影が美しいです。
昔の神社仏閣などで見ることはできるのですが、昔のようにこてこてしたものではなく、現代でも通用するようなあか抜けるように工夫はしました。
私の設計士としてのテーマとして、昔からある手の込んだ技術やいいものをそのまま使うのではなく、現代でも通用する形で発展し継承していけたらいいなと思っています。
あと、国産の木のこの素材を最大限活かせる使い方ができればいいかなと思ってます。
完成した時にみてもらえたらさいわいです。
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