建物をどこに配置させるか 藤井寺の家

藤井寺の家、親世帯、子世帯の2棟が完成しました。
2年半にも及ぶ計画だったのですが・・・取り組んだことを少し記録としてブログに書きとめておこうと思います。項目にわけて思いついた順にラフに何回かにわけて書きたいと思います。

まずは、最初に訪問した時の写真ですが
懐かしい・・・

これから敷地内にある母屋と増築した平屋、3つの家を解体しました。
庭もお手入れがしにくいものはすべて撤去しました。
また庭の話も書きたいと思いますが後日。
解体工事だけでも結構な規模でした・・・

敷地の中にどこに建物を配置させるのか・・・
当初から2棟建れるようにと聞いていましたので、建物の配置をどこに並べて設定するのかでまず悩みました。

この敷地は準防火地域で、敷地から3m(2階は5m)の以内の範囲(延焼の恐れがある範囲)には木製の建具や大きめの開口は設けることができません。
その上、範囲内での木の利用も制限されてきます。

開放的な庭の計画も考えていたこの敷地で窓が小さく風情ある木製建具を使えないのはちょっと厳しい。
以前住んでいた古民家のような趣のある家にするために木を制限されるも厳しい。

親世代の家においては東西南北延焼の制限がかからないように、四方とも敷地境界から最低3m(軒の含めて)は離しました。
2階建てにすると、5mの延焼ラインになるため敷地境界から5m離すと、 子世帯の家の配置が大きな木製のもの使えない位置になるので、2棟を考慮して、親世帯の平屋した方がいいかなとこの時感じました。
終の棲家として、平屋にする方がいいなと最初から思っていたので・・・
後押しのキッカケになったかなと思います。

子世帯の家においても、親世帯との共通の庭である中庭には大きめの木製建具を使いたいので、子世帯の中庭側(北側)のせめて1階くらいは延焼ラインがかかないように敷地から3m以上離す形で中庭の奥行きを確保しました。

また子世帯においては中庭は北になるので、南からの光を少しあてにしたいのと、南側の隣地と近すぎるのも厳しい。

そのため、南を多少確保し中庭との距離感を考え、微妙な配置をしました。

一つの敷地には一つの住まいしか建てることができませんので、敷地を区画し、それぞれの敷地として建物を配置させます。
先ほどから話している通り、延焼の範囲をうまく越せるように、この敷地の2つの区画と2つの建物配置はずいぶん悩みました。

結果、親世帯の家の南開口部、子世帯の家の北開口部は木製の開放的なものを使え、室内から眺めのもお互いが向い合うように中庭ができました。

親世帯の家から中庭の眺め
子世帯の家からの中庭の眺め

また間取りのことは別のブログで触れたいと思いますが、親世帯と子世帯の向かい合う窓は少しずらすようにしました。そして庭師さんに植栽で少し目線をほどよく切ってほしいとお話をしました。
庭師さんとは古くからの付き合いなので、意思疎通は容易にできたのでよかったです。

ある程度広い土地で準防火地域の制限がある場合は建物の配置は、位置によって開口部の大きさや種類、木の見せ方は変わってきますのでとても重要になってきます。

プランを始める前に最初にある程度決めておかないといけないことで、今回親世帯の計画の際に子世帯も建てることをお伝えしてもらったので実現できたことは大きいです。