藤井寺の家 気密測定

お施主さんもちょっと見てみたいということで工務店さんと一緒に気密測定を見学しました。
開口部のサッシは取り付け完了しているのですが、一部造作の木製建具がありそれはまだ施工していなので、その部分は目張りをして塞いで測定しました。
木製建具が入れば少しは隙間はできるので今回の測定よりは数値は下がるのは想定内のこととしてます。

気密を重視するよりも木製建具の風合いを取り入れるといった選択をしています。
それを踏まえたうえで、木製建具部分以外のところはしっかりと隙間を防ごうという試みです。

さてこの日は37.8度と非常に暑く、気密測定はもちろん閉め切っての測定になるので、かなり汗だくになりながらの測定です。
測定時期として施工誤差を直せる時期に測定するようにしました。
ですので、外部の気密ボードを張り、室内のシートも張り配管配線なども完了し、サッシも吊り込み壁の断熱をいれた時点での測定です。

測定の方曰く、現場を見ればだいたいいい値がでるとかなんとなくわかる見たいです。
今回も大工さんのシートの張り方がとてもキレイなのが印象的でしたといってくれてましたので期待大。

測定結果として、相当隙間面積が38cm2でした。
気密を表す数値としてC値があるのですが
その計算式はC値=全体の隙間の合計(cm2)/建物の延べ床面積(㎡)=[cm2/㎡]
38/111.62=0.34
1㎡あたり0.34cm2ということになります。
これはびっくり。
数値1以下にすることも難しかったのですが・・・
うれしい想定外の手直しなし。
わかりやすい目安として、寒冷地以外では5.0が省エネ基準とされてた数値で北海道でも2.0を目標としなさいとされてました。
少し前過ぎるので設定があまいですが・・・

それにしてもいい数値が出たのですが、先ほども言ったとおり、木製建具が入ると数値は下がってくるのですが、1.0くらいになるかなと。
1.0を設定値でいいかなと思っていて、計画換気が効く数値みたい。
また換気については次回触れたいと思います。

注意すべきことはC値を最優先の家づくりではないということ。

高気密の考え方と注意点

先ほど話しました、気密の目的は、木製建具のところ以外で無駄な隙間をなくすことだと考えています。

当然気密だけを考えると、窓を小さくしたほうがいいし、少なくしたほうが気密は上がります。
窓を極力すくなくし、気密を高めることで数値は確保しやすくなるのですが、その場合空調にのみ頼りきってしまう家づくりになってしまいます。

あくまでも、窓をあけて風を感じ、四季折々の庭の緑を感じ生活するといった昔からの日本風土にあった暮らしをモットーとしています。
昔の空調がない時代に得た知恵、夏の強い日差しには庇や障子、すだれ、縁側をつくったりなどを最大限利用した上、欠点であった隙間だらけの家を改善する。

昔ながらの家に住んでる方は体感してるとおり、今の時期窓をあけても風はなく、壁や天井からじっとりとした熱を感じてエアコンなしでは生活できない。
エアコンをかけてもいっこうに涼しくならず、家が隙間だらけなので、エアコンの風はどんどん入ってくる外からの熱に負けて室温がさがらない。
こんな感じではないでしょうか。

隙間を計画内に抑えることで、夏のエアコンの設定温度も28.9℃で室内を快適に過ごせるようにと思っています。
そして風がある日は窓をあけて通風し、地面の照り返しも少なくするためにできるだけ土を入れ植栽を植え、自然の涼しさを感じてもらおうと思っています。

家づくりはバランスだと思っていて、偏ることはよくなく、昔からあるいい部分と今のいい部分をうまく取り入れた家づくりがいいのではないか。

ちょっとくどいですが、夏は暑いです。冬は寒いです。
それを前提に、空調なしで、自然の風をすべて計画内とし年中夏は涼しく冬でも寒さを一切感じず半袖でも生活できる家はできませんので・・・

無駄な隙間は防ぐということだけの気密にしています。
ですので、気密で数値をどこまでも追求することもしないです。

これからも外部木製建具は利用していくと思います。今主流の樹脂サッシのほうが断然気密は確保できますが、
樹脂越しの緑は違和感を感じてしまい、木の建具を利用し隙間の欠点は障子でカバーするといったことのほうが私にはしっくりきます。