プラン作成 京都修学院の家 

現在、京都修学院の家のプランの作成をしています。
今回は難産でした。 試行錯誤しながらなんとか形になりました。

さて、今回は
穏やかな街並みと歴史的な建物が多い地域ということもあり、落ち着いた京都らしい家づくりになります。
風致地区の制限の中でご要望の空間をどのように配置させ広がりのある趣のあるものにできるかがテーマです。

敷地の特徴として、南西側はとても開けていて特に2階は遠景も期待できることから、2階をメインとすることは決めていました。

プラン計画の制限をどう活かすか

この地は風致地区2種に指定されていて、建蔽率30% 容積率50%とそれほど大きくない敷地にとって建蔽、容積どちらも厳しい条件でした。

風致の決まり事として、道路側には下屋根を設ける必要があります。
総二階の建物よりも下屋根がある方が趣があるのでそれはいい方向の条件だなと思いますが、
その下屋根には瓦を使うことも条件でした。

瓦という素材はいつもの板金屋根と違って桟瓦が連なっているのが美しく、奥行きがあまりないと見栄えがしないです。

そのため、下屋根の奥行をどのくらい作れるのかが課題の一つでした。
また玄関の軒をきれいに見せたいこともあり、でできるだけ伸びやかな軒にすること考えてました。

敷地の間口がそれほど大きくない縦長の敷地で、
外壁後退が1.5mで北側斜線(5m+0.6x)も2方向からかかってくるという条件も自由性を奪う一つでした。

縦長の建物になることは必然で、建蔽率容積率どちらも気にしながら、行って帰ってを繰り返すくらいぎりぎりだったので、

間取りを落としこみながら建物の形状を決めるのではなく、1階2階の形を最初に決定し、建蔽率、容積率を満たしていることを確認し、大枠の形の中に間取りを落とし込むようにしました。

よく考えてみてくださいよ。
1階と2階合わせても敷地の半分しか建てれないんですよ。恐ろしい。

間取り計画

今回はご夫婦共働きで、どちらもご自宅で仕事をすることもあり、仕事場が必要でした。
・ご主人の仕事は本もそれなりにありプリンターも必要なのでそれなりの大きさが必要。
・奥様の仕事はペーパーレスではあるけど、オンラインミーテイングがあるので囲われた空間が必要

広い空間にお二人仕事部屋を作ることはできず、別々の個室を設ける必要があります。

壁掛けTVの裏が書斎 有田郡の家

他物件でもよく書斎はつくることはあるのですが、
その場合はリビングに隣接させ天井は壁は天井までとせず、リビングと天井をつなげることで圧迫感のない空間をつくっていました。

しかし、今回奥様の書斎は小さい空間ではあるけど、壁で仕切られている必要がある。
この書斎の配置が最後まで悩みました。

2階のLDKに隣接させれるのか?
1階だとどこに配置するのがいいか?

結局どうなかったかはお楽しみに!!

南西の眺めが一番いいところをLDKにし、3面の開口を設け開放的な空間にすることが一番初めに取り決めたことで、そのためにLDK以外のものを1階に押し込む形なのですが・・・

1階においてもできるだけ、狭苦しくなく空間としての広がりをつくることと、
条件としてある敷地30%の庭と少しでもつながりを持たせることを検討しました。

2階のLDKは間切らず開放的で少し天井が高い勾配天井の空間なのですが、
開放的な空間の良さだけに満足せず、この空間の中で少し籠れるような落ち着ける場所をどのように作ることができるかを考えました。

色々と検討し試行錯誤しましたが、これで決定というわけではなく、
お施主さんがどのような暮らしがしたいかを打ち合わせる中でもう一度柔軟に変化させていけたらと思っています。

明日打ち合わせ楽しみです。