昨日、新しいお客さんと打ち合わせです。
奥さんが持ってきた本。
びっくり。付箋だらけ。
じっくりはまだ見てないけど、とても目が肥えているかんじです。
美しい庭、格子、木の建具などのモダンな和の家。
私好みなので楽しくなってきます。
そもそも日本人は昔から、自然のものが好きで、四季を感じ、家の中からでも庭を楽しむ習慣があるので、奥さんのご要望はごく自然のことなんだと思います。
私は和風とか洋風とか「風」という表現はあんまり好きではありません。
偽物のような気がして。
昔と違って今では、畳で寝る人は少なくなり、異国のものであったベットで寝るようになっています。
何気なく、洋の要素が私たちの生活の一部になってきています。
不思議なことに、ベットは取り入れているけれど、家の中を土足で入ることはしないんですよね。
日本いいところは異国のいい部分をうまく取り入れて自分たちに合うようにアレンジするんです。
現代の日本の家づくりもそうだと思います。
家の快適性にとって重要な断熱などは、今こそ「省エネ」って注目されているけど、ドイツや北欧などと比べるとかなり遅れているので、うまく取り入れてもいいと思います。
間違ってはいけないのが、異国の考え方などは取り入れてもいいですが、建物の姿をまるまる異国に表現する事だけは避けてほしいですね。
家ってそもそも長い間生活するところ。一時的な空間を過ごす店舗とはちがうんです。
その地域の風土にあった素材でつくる。これが長く快適に過ごす秘訣。
異国に憧れて、外壁に石やタイルのようなものを一部張っている家がありますが、石を使っているのであればまだましですが、ほとんどがセメントからできている石調のものです。
いわば偽物。
私は「機能美」という表現を良く使うのですが、機能あってこその美だと思うんですね。
家も人と同じで、見た目と中身がバランスよいのが一番いいはず。
常に本物でありたいですね。
私の持論として、
家は仕事や家事など疲れた心を安らぐ場所でもあり、日本古来からの「粋」「凛」といった空気感こそが、癒される空間ではないかと思っています。
今回もお客さんが望むものだけでなく、少しでも癒される空間を造りたいなと思います。