すだれ資料館へ簾戸の素材探し

河内長野のすだれ資料館へ見学に行きました。

というのも昔からある簾戸を活かしたいと思っていて、簾でいいのはないかと探してました。
ネットで調べたところ、大阪に簾の資料館があることがわかり歴史を勉強した上で活用するのがいいのではと思い早速予約して行ってきました。
当日、大阪なので、近いんだと思っていたのですが、結構山の中をぐるぐる回って、山の中にあることにびっくり。河内長野も広いです。
後の説明で聞いたのですが、河内長野は簾をはじめ爪楊枝など竹の活用は昔から地場産業として有名だったみたいです。

資料館につくと、雰囲気のいい室内へと案内してくれました。
早速、簾の歴史を主に説明してくれました。
簾は日本では奈良時代に万葉集で簾が動く様子を詠った短歌があり、少なくとも奈良時代まで遡るみたいです。おそらく中国から来てるんじゃないかといってましたが、厳密にはわからないらしいです。

簾の素材として、おもに竹ですが、竹でも真竹・淡竹・孟宗竹・大名竹があり、また表面の節がある部分や中の節を避けた部分によって表情が全然違うことに面白さを感じました。木と同じですね・・・
竹以外でも、よし、萩、木なども簾の素材としても使われてます。

よしは滋賀県で採取されていたみたいですが、後継者不足や素性の良いものが取れにくくなって、今はほとんど中国の素材が使われることが多いみたいです。

中国製はホームセンターで安く売ってますが、やっぱり国産とは質や繊細さは全然違うかな。

昔の機械を見て、竹をひごに加工するまでの過程はけっこう手間かかってるなと思いました。
先ほど話した通り、竹の節がある部分使うか避けて使うかによっても工程も変わってきて繊細な作業でした。今でも昔と加工の仕方はあんまり変わらないみたいです。
一番印象に残っているのが、竹やヨシの節の部分を利用して模様を作っているのはとてもオシャレだなと思いました。

これは簾に着色させて絵を描いてるのではなく、シルクを竹に巻きつけて絵柄を作ってるとのことで、かなりの手間と技術のいる仕事。すごい。

資料館を見た後、ショールームにて製品を見せてもらいました。

どれも繊細で美しい。
簾は特に光が漏れたときに美しさがわかります。
さっそく窓に照らしてみましたが室内からの抜け感がいいです。
外から覗いてみると室内は見えませんでした。
夜はおそれく、室内の方が明るいので、外からは室内が見えて、室内からは外が見えないのだろう。

これは建具や縁側に使えば絶対にいいものになる。そう確信しました。今回お母様のお部屋の戸を家族が確認できるように、少し透けた戸と考えていて、当初は何気に藤を使えばいいかとあんまり考えずにいて少し気になっていたところで、このもやもやを解くために簾資料館に行ったのですが、すっきりしました。

また今回見本を確認し使用できる可能性が増えました。
簾は皆様もご存じのとおり、夏には窓先につける方も多く、差し込む強い日射を和らげながら風を通してくれるすぐれものです。
玄関などに通風のために網戸をよく利用するのですが、きめの細かい簾を網戸の代わりに使うことによってより効果がでるのではと思いました。

昔からある簾を現代の住まいに少し用途を変えて、より家を引き立たせてくれる使い方ができるだろうなと今から楽しみです。
また完成時に簾戸のことをブログに書いてみようと思います。