24坪の家 枚方市 の取組み

現在取り組んでいる枚方市の24坪の家の図面がほぼ完成しました。

今回の取り組みを少しご紹介したいと思います。
比較的都会である大阪府枚方市の閑静な住宅街の一角の38坪の敷地です。

北一方が道路に面していて、三方は住まいに囲まれている閉鎖的な土地で、こまったことに、道路と敷地との高低差が約2mあり、駐車場を設ける必要があるため、隣地側と正面にはよう壁工事が必要になってきます。

全体を考慮すると、できるだけ隣地に近いところによう壁を設ける必要があり、地中の基礎を考えると3m近く掘るよう壁工事を隣地に干渉なく施工するにはなかなか難易度が高いです。想定していた予算よりも大幅に嵩みました。

今工事の状況をみると、費用がかかるのはわかるくらい難しく手間のかかる工事でした。


土地を購入する際には不動産屋さんがあまりよう壁のことは触れないケースが多いので、高低差のある敷地を購入する場合は建築士に相談することをお勧めします。

さて、よう壁ですが、
駐車場のためのよう壁をぐるりと三方作るといった通常のやり方だと、
建物も小さくなる
よう壁のコストも増す

そのため今回は、
正面は建物の基礎とよう壁を兼ねた深基礎とすることで建物の奥行きを確保しました。
もう一方の側面側はよう壁を造らず30度以下の勾配の法面としました。
この面はアプローチを兼ねてることもあり、坂を登って玄関へとアクセスするようなちょっと面白いものになればと思っています。

お子さん2人計4人の家族の住まいで、できるだけ家族が集うLDKを広くとることを優先し、他はぎりぎりの寸法を確保し計画しました。

2階にLDKを設け、ワンルームのように開放的な空間とし、1階に寝室、こども室、水廻りを押し込みました。

寝室は3帖で小さいが、クイーンサイズのベットのように段差を設け、マットレスが置けるようにし、寝る以外のものは一切ない空間としました。ベットサイズで考えると広いので、寝室で寝るだけと考えるとベットさえあれば十分ではないかと思う。この空間はとても見どころかと思います。

子供室においては、二人で8畳くらい。
余白さえももったいないので、寝室同様、シングルベットも造り付けとし、それ以外の机も引き出しのあるカウンターを造り付けで設けるようにしました。その他収納も付属させているので用途しては充分なものになっています。 

2階の一部に3畳強のウォークインクローゼットを設けてここに服などを効率よく収納できればいいかなと思っています。

限られたスペースの中に、唯一ゆとりのスペースとしてバルコニーを設け花壇を付属させることで、外との自然のつながりを持たせ、広がりのある空間にしました。

図面がほぼ完成し、いい空間になることは浮かんではきてますので、今から完成までとても楽しみです。

お施主様がアパレルにお勤めであり、デザインなどに敏感で照明の球の大きさ・形、扉の取っ手、コンセントのプレートなど細部まで意識を持ってくれているため打ち合わせをしていても面白く、趣味の良いいい家になるのではと思っています。

家づくりはお施主さんとの共同作業ですので、お金では買えないお施主さんが持っているデザイン面のポテンシャルが引き立つ家になればと思っています。