雨続きで2度ばかし延期をしましたが、待ちに待った西宮の家が上棟しました。
この日はとても空がきれいで気持ち良い日になりました。
空に映る桧の柱が山から木を降ろす作業とかぶりました。
さて、今回構造材はお施主さんとも山を見に行った三重県熊野の木(野地木材さん)を使っています。
お施主さんと家に使う木の産地三重県熊野へ行く 一日目 その1
お施主さんと家に使う木の産地三重県熊野へ行く 一日目 その2
お施主さんと家に使う木の産地三重県熊野へ行く 二日目
通常は、こうして棟上げの際に初めて木を見ることが一般的なのですが、「使う木の山を見に行く」ことで、木から山を想像してもらえ、愛着も沸いてもらえるのかと思います。
柱には杉とヒノキ、梁にも杉とヒノキを使っています。
当然のことながらすべて日本で育った木を使っています。
家にとってもっとも重要な構造部分はどんな事情があれど、妥協せずに国産の木を使います。
柱の柱頭、柱脚にはホゾといって凸をつくり、梁、土台の凹に入れ込み柱が抜けないようにするのですが、
柱には9cmの長ホゾにして、堅木の込栓で栓をして柱が抜けないようにしています。
今一般的には短ほぞ6センチで金物で抜けを防止してることが多いのかな。
この長ほぞ込栓打ちは見えないところのちょっとしたこだわりでもあります。
梁の継ぎ手の部分の構造上とても大事なところにも、昔の大工さんが継ぎ手の強度が落ちないように試行錯誤して生み出した、追っかけ大栓継ぎ手、台持ち継ぎ手を使っています。(プレカット加工で造っています)
無事上棟することができました。
上棟は、お施主さんとああでもないこうでもないと長く打ち合わせをし、図面を何枚も書いてきたことが現実になると実感できる瞬間かなと思います。
そして、造る喜びを造り手と感じれるときでもあります。
三方良しとよく言うように、施主さん、造り手が造る喜びを感じ、完成を楽しめる家づくりになるような家づくりを考えることが私の使命かなともじみじみ感じました。