天井が高いイコール開放感にはならない。

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まず、見学会などで見学する際に気をつけて欲しいのが、家を見学する際にずっと立ちっ放しで見ますよね。

それよくないんです。
そもそも生活する中で立ちっ放しの状態でいることってあまりなくて、キッチンで食事を作るときくらいかな。
あとは、掃除とか、移動するときなど何か動作する時。
動作をしてるときは圧迫感とかあんまり気にならないです。

見学会で見るポイントとして実際に生活してる通りに座ってみるって大切なんです。
座って見て天井高はどうかって確認したほうがいいかなと思います。

イスに座るか、それとも床に座るかによって当然高さの感覚は変わってきます。
たとえば、畳の間などは畳で立ってる人なんていないし、畳で正座した時に目線はだいたい85cmくらい。
また、リビングなどでのソファーに座った時の目線は95cmくらい。
ダイニングチェアーだと120cmくらい。

それぞれ用途によって目線は変わるので、違ってあたりまえなのです。
ですので、天井高の数値や立ちっ放しの状態での感覚で天井高さを図ることはあんまり意味がありません(キッチンの前以外)。

天井の高さだけでは開放感、圧迫感は図れないのも知っておいて欲しいです。
4面とも壁だとすると、天井高を高くすると圧迫感は多少解消できるでしょうが、天井の高さよりもむしろ視界が抜けていることの方が肝心なのです。

以前に広がりを持たせる設計手法 視界を抜ブログにも書いたのですが、
視界を抜くことで圧迫感は天井高以上に解消できます。

参考として、以前熊野に行った際のどろホテルの室内の様子。
写真の天井高は梁下で私の頭があたりそうだったので、1750mmくらいかな。
天井の一番高いところで2100とか2200mmだったと思います。

ソファーやイージーチェアーに座って食事を楽しむ、景色を楽しむというのが用途なのですが、座ったときに視界が抜けているので圧迫感がまったくなくむしろ優雅で開放的でした。
天井高は座った時に丁度良く落ち着く高さでした。
開口も開け過ぎず、座った時に見える視界だけを意識して窓をくり抜いてあるので、居心地がよかったです。
IMG_5246窓の先にはどろ峡の優雅な景色。
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天井高を高くしすぎるデメリット

天井高の設定を間違えると、デメリットは大きいと思ってます。
天井を高くするというか意味のない天井高にはしないということが肝心かな。

●1、2階の階高が変わるので、構造骨組が全体的に大きくなる。
階高によって、当然骨組のボリュームは変わってきます。
今回のように例えば天井が2550mmとすると、階高は2550mm+300mm梁+60床(下地)+天井材(下地)55mm で
約1階階高3000mmになります。2階も2800mmとかになるのかな。

私のいつもの家づくりだと、だいたい1階階高は高くて2700mm、2階は2300mmくらい。(LDKはある程度天井高くする場合は平屋にするか吹き抜けにする)
比較してみると高さ1mも変わるので、構造部材の量の差も大きくなります。

●外壁の面積が増える。
先ほどの階高が高くなることによって当然外壁の面積もかわります。
そのため、外壁(下地、ラス工事、仕上げ)の面積も増えるので、それだけでもコスト高になります。
断熱材の量も増えるかな。
外壁面積が増えると結構いろんなものが増えるのです。

●内壁の面積が増える。
当然天井が高くなるにつれて内部の見えてくる壁の面積も増えます。
塗り壁からクロスにコストダウンを余儀なくされることも多いので、効率の良い面積にしてできるだけ素材の良い塗り壁を利用したいです。

●無意味に高いと冷暖房効率が悪い。光熱費がかかる
同じ断熱性能でいえば当然、部屋の容積が増えるほど、冷やす(暖める)のにエネルギーが要ります。
そのため毎月の光熱費も変わってきます。
ですので、イニシャルコストも掛る上にランニングコストも掛ってきます。

●階段の段数も増えるので段数が多くなる
当然階高が上がれば、階段の段数を増やすか、蹴上げ高さ(1段の高さ)を上げるかどっちかになるのですが、
やっぱり緩やかな階段を利用したいので段数を増やすと、当然面積も余分に必要になってきます。
一見、1段か2段階段が増えるだけなので、問題ないように思うかもしれませんが、1段.2段の違いで、家の間取りがとてもしにくくなるんです。