お客様と熊野に行ったり、食事をしたり、電話でお話したり、コミュニケーションを取る機会が多く、ご家族と少し打ち解けれたように思います。
そこに何か充実感のようなものも感じます。
ひとりで仕事をしてるせいかさみしいのかもしれませんが(笑)
勤めてた時代には、人見知りといいわけをして、そういったことは避けていたような気がします。
お客さんと反した考えだとしても、押し殺していたような気がしますし、人と向き合うことは何かと大変だと思っていました。
家族のかたちは人の数だけ色々あるもんで、答えもひとつでもないんです。
現在のこの舞多聞の家は2世帯の住宅でお母様と若夫婦の着眼点は違うのですが、経験値、時代錯誤などを考えると違うことはごくあたりまえのことで、ころ合いを見つけるのが私の役目なんですよ。
伝統的なものや経験値からくる居心地の良さ、技術の革新による利便性、それぞれをうまく調和したものがいいのかなと。
それぞれのお話を聞くと、それぞれ理解できて、私の返答が曖昧なところが保留になっているのだなと思います。
お母様と電話で世間話も最近よくするのですが、今までの御苦労など、生きてきた年数だけの経験値が私へのアドバイスとなっているような気がしました。
一番印象に残っていることは、「趣味を持ちなさい」とお話してくれたことかな。
建物や風景をみたりすることが好きなのですが、それは仕事の一貫でもあるので、それを除くとこれと言ってない。
遊ぶことからも学ぶべきことは多く、人としての幅を広めるんだと思います。
とにかく、いろんなことに取り組んで見て自分がこれと思える趣味も見つけていきたいなと思います。
私もそうなのですが、親への愛情表現はなにかと照れくさく、表面的な表現は極力避けたいと思うもんです。
息子さんとお母様との会話はとても面白く、意見の違いはあれど、根底の部分でお互いを想い合ういいご家族だなと思いました。
密な関係ほど程よい距離感って大切だと思います。
親子だけでなく、夫婦間、嫁姑間もそう。
設計することは、これからの個々の暮らしにとても大きく関わってくると思うのです。
こういったご家族の暮らしのソフトな部分の設計が実は最も重要で、そこが設計者として醍醐味なのではと思えるようになりました。