屋根の形状・向き・勾配の根拠 土壁の家 豊能郡

「ホタルの家」足場がおリました。
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施主さんと建物を眺めてる写真。平和だなーと改めて思います。

写真では大きい建物のように見えますが、1階30坪であとはロフト(天井1700mm~2300mmあるので2Fですが)なので、それほど大きくありません。

「屋根の形がインパクトあるね」とよく言われるのですが、意匠的にというよりも、必要な高さ、空間取りをするとそうなったんです。

何がいいたいかと言うと意味もなくこんな形になった訳ではないですよーということなんです。(笑)

屋根の計画したときをちょっと振り返ってみます。

この土地の周辺には、360°建物がなく、東西南北それぞれ違う景色があって、それをどのように家に取り込むのか?そのために、屋根を東西に流したほうがいいのか?南北に流したほうがいいのか?

悩みました。

北の方角の山の形が綺麗で、優雅な感じがしたので、家の中からでもこの山や空が見えたらいいなと考えていたんです。
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そのためには高いところにガラスがいるので、屋根が下ってくる軒側には高窓を造るのは難しいかなと漠然と考えていたんです。
けらば(軒がない方)側の矢切の部分にFIXガラスを入れるのがいいかなと思っていました。

また、アプローチは西からなので、玄関は平入(軒がある方)の方がなんとなくイメージが沸く。
(昔から妻入り(△側)、平入(軒がある方)って昔から意味のあるもので、建物や用途、地域などによって決められていたみたい。)

そのなこんなで東、西に屋根を流すことに決めました。

高台にある隣接した南面道路が屋根のようなUP、DOWN勾配になっているので、車でそこを通ると、屋根に登って、降りていく感じになるんで、調和してる感じがします。

、屋根の軒を玄関庇と兼用としてすっきりとさせてます。
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■屋根の勾配

玄関の庇を付けるのはあんまり好きではないので、玄関の庇と軒は兼用と考えていて、軒を玄関の庇の高さにあうように、できるだけ軒は低くしたい、

また、昔の家のように、柿とかその他野菜など、軒にぶら下げて乾かせるよう、手が届くほどの軒の高さにしたい。
軒先から屋根に登って遊ぶってのもいいかなとか想像してました。
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ちょっと間取りの話を挟みます。
LDKは開放感がある少し高い天井が欲しい。その他の洗面・トイレ・浴室・寝室の部屋は高い天井は必要としない。

そのため、洗面、、トイレ・寝室などを東側にまとめて配置し、その上にロフトを設けることにしました。

ロフトの勾配天井の最低寸法を一般男性の身長の高さ1750mmとし、先ほど決めた玄関の軒の高さと線で結んで、勾配を決定しました。その結果3.2寸勾配になりました。

反対側の短い屋根は、ロフトの中心部に棟をもっていき、棟の点と1750mmと設定したロフト桁高の点を結んで、屋根の勾配を決めました。西面の大屋根とは異なる2.2寸勾配になっています。
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両側で勾配が違うというのも珍しいですが、違和感なくできました。

屋根の形はいろんな要素が混ざってこのような形になったんです。
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