外部木製建具 大工造作

今回は外部にアルミサッシだけでなく、木製の造作建具を五か所ほど利用します。

それに当たって、大工さんが鴨居や枠などを造作するのですが、これが見てるだけで面白い

家は長く暮らすところで、長い間不都合なく暮らしてもらうためには、店舗などとは当然大工の仕事内容は変わってきます。

大きく違う所は見えないところまでへの配慮。
無垢板を利用するに当たって動くことを想定した仕事

かなと思います。

敷居とフローリングの納まり。
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当然、無垢板は気温の変化で動きが出るのですが、敷居とフローリングとの取り合い部がすかないようにひと手間掛けるのです。(無垢材を扱う大工さんなら特別なことでもないですが・・・)
大工さん曰く、
「見えないところまでも繊細な仕事をするためには、仕事の枠を超え、気持ちが入れ込まないといけない」と話してくれました。

納得。
私も誤解を恐れずに言えば、いつも図面を描く際にここまでこだわらなくてもいいかなと思って格闘するのですが、妥協することになると思い止まり図面を描いてしまいます。

鴨居に縦枠をはめ込む仕口。
見えるところに仕事を見せない、木と木がきっちりくっつくために。
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外部の敷居が垂れ下がって建具の建付けが悪くならないようにボルトで引っ張ってます。
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外部建具の戸袋の納まり
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大工さんはあらかじめ加工図を図面化して頭をひねり寸法を割り出し、作業をするときは取りかかるだけという準備周到型。

「段取り八分の仕事は二分」と昔から言われているように、
「仕事の8割(はちぶ)は、段取りで占められ、残りの2割(にぶ)程度が実際の大工作業といったところです。
大工仕事だけに限らず、どんな仕事を進めるにあたり、事前の準備がとても重要であり、事前準備の良し悪しが、仕事の出来栄えや作業効率に大きく影響すると思います。
私も行き当たりばったりやその時に瞬時に決めることが苦手で、着工前に図面を描き、着工すればあとは見守りだけのスタイルがいいです。なかなかうまくはいきませんが・・・
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よく図面を描かず現場あわせでという声も聞きますが、私は基盤となる詳細図面があった上で、職人さんたちのやりやすい形をとる二重の詰めこそがよりいいものを作るのだと思っています。
(人それぞれかもしれませんが・・・)

大工さんの造作はずっと見てても飽きません。
大工さんに「ややこしくてすいません」と言ったら、
いや「面白いです」と答えてくれたことがとてもうれしく出来上がりが楽しみです。