【桧】ひのき 花言葉「不滅」「不老」「不死」
桧は、杉と同じように、復興を目指す戦後の日本に、たくさん植えられた木で、建築やその他の物づくりに使えるからということで植えられたのです。
杉は生長が早いと書きましたが、桧は杉よりゆっくりと生長します。杉は、養分の多い豊かな土でとても良く育ちますが、桧もそうかと言えば、ちょっと違います。桧はあまり栄養や水分の多い肥えた土に植えると、逆に病気になってしまうこともあるんです。
だから、桧は杉よりもやや痩せた土地にたくさん植えられました。ちなみに、もっと痩せた土地で育つのは松なんですが、松についてはまた書きますね。
ゆっくりと育つ分、細胞が密でキメ細かいため、杉と比べると重たくてかたいのが桧の特徴。密度が高い分、強度も高く、色も白いので、昔から高級材として大事に使われてきました。
木の中心部分「心材」(赤く色がついている部分)は虫や水に強いので、「土台」や「大引き」、「根太」といった、家の重要な部分に使われてきました。
何百年も前に建立された神社や仏閣にも主に檜が使用され、「桧だからこそ」と言われる程、世界的に見ても、とても優れた木材です。
1400年前に建てられた世界最古の建設物「法隆寺」もすべて桧から造られてるんですよ。
その質の高さから、昔から高級材として扱われてきた桧ですが、今では比較的リーズナブルに使うことができるので、構造部分だけでなく、フローリングや壁板などにもたくさんの桧を使われています。
杉よりかたく、傷が付きにくいので、リビングや客間など、使用頻度の高い場所や来客を意識した部屋の床には、桧がお勧めかも知れませんね。
さらに、浴槽や桶、舟などにも使われてきた桧は、水にとても強いので、浴室や洗面所、台所などの水回りにも使えます。
ただ、かたい分、衝撃を緩和しずらく、杉よりも表面に冷たさを感じるのも桧です。温度を吸収したり、衝撃を和らげるといった仕事は、杉より少し苦手といった感じです。
また、桧の特有の香りにはリラックス効果があり、「桧風呂」などは、たくさんの温泉や銭湯で、好んで使われていますよね。桧は香りを楽しむための木でもあります。
油分の多い桧は、年月がたつほどに、光沢をまし、しっとりを色づいていきます。真っ白だった桧は、黄金色に変化しながら住まいに馴染んできます。
とてもいい感じですよ。
使う場所を選択して、上手に使いたい素材ですね。
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