最近アパレルさんの家を2件ほど取り組んでいるせいか、服の素材を意識して見ることが多いです。
今の服はアウトドアメーカーのものだったり、日本の小さなブランドでも
デザインはシンプルで
素材にこだわり、
着心地が良く
長持ちする生産技術が高いもの
が特に人気が高いように思います。
Tシャツにおいて綿100%でもそれぞれブランドによって肌触りが全然違う。
試着してすぐに肌ざわりの良さがわかるくらい着心地がいいものがあるのを今の歳まで気づきませんでした。
カシミヤを初めて着たときの驚きを綿でも感じれるとは・・・。
歳を重ねて少し肌が弱ってきて敏感になってきてるせいかもしれません・・・
そろそろ寒くなってきたので、ニットが必要になってくるのですが、
毛で、
ちくちくして、
重たく、
それほど暖かくなく、
毛玉もできる
ものが多いなとおもっていて(私が知らないだけですが・・・)
肌触りが良く、軽く、暖かく、毛玉のつきにくく、洗いやすいものを
色々と調べていたのですが。
ニットの素材として、ウール(羊毛)やモヘヤ( アンゴラ山羊 )、アルパカ、キャメル、など色々あり、毛でもそれぞれ特徴があるのを知りました。
例えば、モヘヤはヒマラヤ山脈など極寒のところで順応し育った山羊のもののため、毛が暖かいというのは理にかなってるように思います。
また動物の年齢によっても毛の心地は違ってくる・・・
キッドモヘヤといって山羊の1歳未満の毛で作られたものは、細い、やらかい、頑丈なため さらに着心地のいいです 。
今まで知らないことが多かったです。
素材にこだわることで今までにない着心地だったり、
ホントの意味でコストパフォーマンスがいいものを知り、無駄のないものを手に入れることができます。
色々調べた結論として、
「天然素材で高い技術をもって作ること」
で 着心地と長持ちするものは得れて、コストパフォーマンスも一番いいです。
これだけは間違いかなと思います。
ウールの天然素材はアクリルなどの合成繊維とくらべて
暖かい、肌触りがいい、夏冬快適などのメリットがあり
またデメリットとして、
アクリルと比べて高価、
自然素材がゆえに虫に食われることもある
縮む
なんだか、木においての無垢板と合板の違いと同じです。
前置きが長くなりましたが、
家においての素材といえば、やっぱり木と土(珪藻土やしっくいなども)なのですが・・・
皆さん、家づくりに使う素材として、大半を占める木に対してそれほどこだわりはないように感じます。
たぶんそれは服と違って、居心地は住んでみないとわからないことなので、ぴんとこないのだと思います。
色の違いは明るい、暗いは判断がつくのでわかりやすいですが・・・
木の重要さを伝えるのは私たちの仕事なのですが、
木の家の前提として、
四季があり、高温多湿の独特の気候で育った木(日本の木)を使って家づくりをする。構造材の話ね・・・
わざわざ、外国の安い木を使ってきつい防腐、防蟻材を使うのであればそもそも木を使わなくてもいいように思います。
国産の木でも樹種によって、硬さや温かさなどはそれぞれ違います。
また、同じ杉の木でも、部分によって色も違うし、役回りも違う。
杉の面白いところは戦後一番多く植えられたものでもあり、木が素直に育つことから安価な材でもあるのですが、杉の赤い部分(芯)はとても美しく、耐久性もあり他のどの樹種の材よりも高価な材でもあるんです。
この幅の広いところが面白く、木取りの仕方によっていろんな表情のものができるのが魅力です。
他の材と比べて空気の含有量が多いことから、手触り、足触りが良く「夏は涼しく、冬は暖かい」ため年中快適です。
そのため、床に使うとほんといい材です。
しかし、やわらかく傷がつきやすい材でもあるのでテーブルや家具に使うには向いてなく、杉よりもかたい広葉樹などの木の方がいいです。
広葉樹は硬いため、冬足に触れると冷たく感じるので、フローリングには不向きです。それぞれ役回りが違うのです。
(私の論ですのであしからず)
話が長くなるので、木の詳しい話は別の機会にするとして、
家づくりにおいて木を理解し使い分けることは居心地に大きく関わってきます。
先ほど話したように、歳を重ねると若い時に感じなかったことも敏感に感じてしまいます。
服は歳と共に着るものを変えていけばいいですが、家はそうはいかないです。
家の居心地をよくするためにはやはり素材をよくすることです。
床、壁、天井に使うものはやっぱり自然素材がよく、色で内装の素材を決めるのではなく性質を理解して使う。
また私が土壁をよく使うのも、古臭く感じるかもしれませんが、歳を重ねると白壁よりも目に優しいものに落ち着きを感じてきます。
服が素材ありきで着心地が変わるのと同じで、家も素材ありきだと思います。
長くなりそうなのでこのあたりで・・・