今回は、「松」まつについてお話しますね。
【松】 花言葉「不老長寿」「永遠の若さ」「勇敢」
一般的に「松」と言えば、「クロマツ」や「アカマツ」を指すことが多くて、冬にもずっと緑の葉を茂らせることから、松は昔から「不老長寿の象徴」とされてきました。
「松竹梅」と言うように、梅や竹と並んで、おめでたい樹木なんです。
日本の風景を描いた絵の中に、とてもよく登場するのが「松」の姿ですが、能の舞台にも背景として必ず松が描かれていて、歌舞伎や狂言の世界でも松の背景が多く使われてるそうです。
松は、最も「日本文化を象徴する木」と言えるかもしれませんね。
前回もお話しましたが、杉は豊かな土地を好み、桧はそれより少しやせた土地、さらにやせた土地で生きるのが松なんです。
環境が悪いなかで育つのですから、たくましいですよね。
松の仲間は、明るい場所が大好きで、栄養の少ない土地にも耐えて生長することができます。だから、何かの理由で森が消失してしまったような場所に、真っ先に生えるのが「松」なんです。
逆に、色んな樹木と一緒に日の光を分け合って生長することは難しく、そういった環境の中では子孫を残せない木でもあります。
ところで、みなさんの大好きな「マツタケ」って松の中でも「アカマツ」にしか生えないんですよ。
さて、住まいづくりに使える木として今回ご紹介したい唐松「カラマツ」。
カラマツの特徴と言えば、何と言っても「紅葉」。
杉や桧、松などの針葉樹(葉が針のように細長い樹種)は、紅葉しないものがほとんどで、日本ではカラマツが唯一、黄色く色づく針葉樹(写真)なのです。
すごく美しい黄色なんですよ。
無意識に、カラマツの紅葉を目にされている方、意外と多いと思いかもしれません。
カラマツは、他の松と同じく、明るい場所が好きで、生長が比較的早いので、杉や桧と同じように、戦後たくさん植えられました。特に、中部地方より北の寒冷地でよく見られます。
「松」と聞けば、自由奔放にねじ曲がった姿を想像されて、家づくりに使う木として、不向きると思うのかもしれませんが、カラマツはそれほどでもなく、上手に乾燥・加工する技術もあるので、フローリングなどに十分使うことができます。
かたさで言えば、柔らかい杉とかたい桧の、ちょうど中間といったところでしょうか。適度に肌触りが良く、傷もつきにくいです。
色は、全体的に赤味がかった綺麗な色をしています。油分が多いので水にも強く、住まいの色んな所に使うことができ、月日が経つと飴色の艶が出て、とても味わい深い色になります。
杉や桧が、茶色や黄色がかった色に変化していくのに対し、年月を経ても赤味が一番良く残るのがカラマツかなと思います。
私は、フローリングの中ではカラマツが一番好きですね。
「杉」「桧」「松」とお話させて頂きましたが、それぞれ木には特徴があって、実際に育っている木を見て、それから加工された木材を見るとより楽しめると思います。
また、それぞれに共通するのは年数が経てば経つほど、いい色に染まって味わいが出てきます。
住めば住むほど、楽しめる「木の家」ってよくないですか?
その他にも、水や腐れにとても強い「槇(マキ)」や、白アリにめっぽう強い独特の匂いが特徴の「青森ヒバ」、さらには、テーブルやイスなど、家具に使うととても綺麗な桜や栗と言った広葉樹など、本当に様々な樹木がありますが、また、後日お話したいと思います。
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