土壁利用でどこでも外壁に木が張れる (準防火地域、22条地域)

家を計画するに当って、建蔽率や容積率などの家の規模や高さなどの制限の他に、防火に対しても地域によって制限があるんです。

防火地域、準防火地域、法22条地域。
住宅地においては、「準防火地域」「法22条地域」のどちらかの制限を受けるのですが、
準防火地域>法22条地域ほど厳しい規定になっていて、最近はどんどん準防火地域網が広がってきてます。

主に外壁や軒裏などの制約があり、昔に良くある板張りや軒裏に木などを使えにくくなってきてます。
こうして木などを使えにくくなると、決まって工業製品の利便性の良いものへと移行していくんです。

外観は地域の町並みに大きく左右され、町の風景を壊しかねないところです。

私たち日本人は島国ということもあり海外への憧れが強いかもしれません。
私も憧れはありますし、いろんなところへ行ってみたいです。
海外へ行った時に、庶民的な町並みを見て、日本と違った素材、様式で群れのなしてる姿に感動したのを憶えています。

しかし、その建物1つをピックアップしてそのまま日本でその建物を建てようとは思わないんですよ。
その海外地の良さは、住むために、ただ地域にある素材を気候に合わせた様式で建ててることがごく自然ですばらしいのです。

私が幼いころは、祖父母の田舎へ向かう車中からの風景で、そろそろ田舎へ着くなとわかったものです。
京都や奈良のようにまでとは言いませんが、その地域性が見れる町並がもっとも美しいと思うんです。
町の風景ってそういった幼い頃の記憶、思い出までが影響する大切なものだと思います。
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話がそれちゃいましたが、
住宅地においての「準防火地域」「法22条地域」の規制を簡単にお話すると、

法22条
延焼の恐れのある部分の外壁に準防火性能が必要。

準防火地域
延焼の恐れのある部分の外壁・軒裏を防火構造にする。
又は
準耐火建築物にする。

※延焼の恐れのある部分とは
隣地境界線(道路中心線)から1階は3m、2階は5mにかかる部分
広大な土地でない限り大抵は全部ないし、一部は延焼ラインにかかってきます。

なんだか、防火、耐火、火に対しての言葉が多すぎてなんとなくわかりにくいので簡単にお話すると

法22条では、軒裏の規定は考えなくてよく、軒裏を垂木表しや木を利用することは縛りがなく大丈夫です。
外壁は準防火性能のある材、しっくいとかモルタルとかが可能なのですが、木は基本NGです。

準防火地域は外壁と軒裏ともに基本木はNGです。

そもそも、家の外壁に木を張るって基本NGなんです。
でも、街中でよく見かけると思うんですが、
違法なものか、準防火性能のある材の上から木を張っているか、不燃加工しているか、疑木か
今回の話のメイン「土壁」かなんです。
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違法で木を張るのはもってのほかで、不燃材の上から木を張ったり、不燃加工した木を利用したりするのは、なんとなく無理やり感があるような気がします。
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調湿、蓄熱性などの室内環境を快適にしつつ、外壁にも木を張る。
外壁に木を張るにあたって、土壁利用が昔からある自然な使い方のような気がします。

土壁利用に関しても規制があって
●防火構造
イ 土壁裏返し塗り40mm厚以上
ロ 片面塗り40mm厚以上(屋外柱ちり15mm以下)
ハ 片面塗り40mm厚以上(木材15mm厚以上)
二 片面塗り30mm厚以上(木材12mm厚以上、ちりしゃくり)
のいずれか
●準防火性能
土塗り30mm厚以上

が必要なのですが、土壁で30mm以下には基本しないので、すべて軽くクリアできます。

木を張りたいから土壁にするってことも本末転倒で、土は防火性能が高いから木が張れるのです。
そして外壁に木を張ると、湿気や結露を逃がしてくれる、きつい日差しによる外壁の温度上昇も和らげてくれるので利用する価値は高いです。

欠点としては、やはり水に濡れ、紫外線にあたるところなので、色の変化が出て、自然塗料を定期的に塗ることが必要になってきますが。
まあ自然塗料は簡単に塗れるので、自分たちでメンテするのも愛着がわいていいかも。

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