最近、土地を購入される際に建物を建てる観点から見て欲しいと言われ、見に行くことが多くなってきました。
ですので、今土地を探していてご購入を考えてる方、これから土地を探そうと思っている方に向けて、お話したいと思います。
採光条件が良く、南や東が開けた、その上整形な土地を探していませんか?
土地自体の条件が整ったところは当然人気が高いため、値段も高いはずです。
頑張って、高いを土地を購入すれば、当然建物に掛けれる費用は少なくなります。
家を建てるために買ったはずの土地に満足のいく家が建てられないのでは、本末転倒でしょう。
土地の購入した後は、建物本体に全ての費用を回せるのかというとそうでなく、
土地の条件・状態によって建物の本体以外にかかる費用が発生します。
■水道メーター(20mm)が敷地内に引き込んであるか?(ない場合や口径が小さい場合の工事は20万円~)
■前面道路に公共給排水管が入っているか?(入っていない土地はまず買わない方がいい)
■建物に直接電気を引き込める位置に電柱があるか?(ない場合はポールが必要15万円~20万円)
■土地の地盤が良好か?(改良工事が必要の場合50万円~100万円。支持地盤に依る)
■境界は明示されているか(ない場合地積更生登記が必要。登記費用10万~20万円)
その他色々
上記のようなことは土地を売ることが目的の不動産屋さんでは分からないことなので、教えてはくれません。
もし採光条件の悪い土地でも採光を充分に取れる家を建てることができるとしたら?
私たち建築士は採光条件の良い土地でしか設計ができないわけではありません。
むしろ、敷地の形状がいびつであったり、採光条件が悪い中で、いかに知恵を絞り問題をクリアしていくかが腕の見せどころなのです。
いい条件の土地でなくても、プラン次第でなんとでもなります。
それよりも、前途のような余計にかかる費用が嵩まない土地を選ぶ必要があります。
こういった話は建物よりも土地の資産価値を重視される方にはおすすめしません。
ご自身やご家族のために、いい家づくりをしたいというシンプルなお気持ちだけで土地をお探しの方には「人気のない土地」「いびつな形の敷地」も選択肢に入れてみるようご提案しています。
私が建てさせて頂いた「ほたるの家」は市街化調整区域(建物を建てることを制限している地域)で、あらゆるハードルをクリアしないと家は建てられませんでした。
そのため、この土地は人気がなく、変わり者しか買わないであろうと言われていたため、値段は200坪で1500万くらいいだったでしょうか。
坪75000円です。
都会では考えられません。
ご購入される前に私にご相談頂いたので、役所や県庁などで色々調査して、土地そのもの以外にかかる費用がそれほどかからず、建物が建てられることを確認し、GOサインを出しました。
土地の形状が複雑でや高低差があり、境界もあやふやでしたので、地主さんに境界を明らかにするための測量を依頼するよう不動産屋さんにお願いしてくださいとお伝えしました。
その結果、眺めの良い広大な敷地家を建てることができました。
土地をお手頃な価格で購入でき、家本体に予算を回すことができたため、こだわりのある土壁の家を建てることができたのです。
「人気のない土地」「いびつな形の敷地」を選ぶ上で重要ポイントは3つです。
・工夫された建物のプランがあるか。
・各行政へ法的な規制がクリアできるか。
・土地以外にかかる費用がどのくらいになるか。
この3つはあなただけでは判断できません。
建築士の助言が必要ですので、土地を選ぶ際には必ず同行させてください。
また、土地を探すお手伝いもできますので、お気軽にお声をかけてください。
無機質な家よりもそれぞれの家族がこだわった個性ある家を造って欲しいので、
別に私に設計を頼む予定がなくても、喜んで同行させて頂きます。
「いい家になるかは土地選びでほぼ決まってくる」へのコメント
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