壁のすべてを同じ素材で仕上げることはありません。それは単にデザインを変えるためではなく、「その場所でどう過ごしたいか」という用途に合わせて素材や色を選ぶようにしているからです。
「白」の清潔感と、「土」の静寂
白は空間を明るく、清潔に見せたい時に非常に有効な色です。
しかし、家じゅうすべてを白にしてしまうと、空間が単調になり、どこにいても同じ空気感になってしまいます。
特に年齢を重ねると、真っ白な壁は光を反射しすぎて、少し目が疲れるようにもなってきます。
夜、一日の疲れをいやし、心からリラックスしたい場所には、土壁のような「しっとりと落ち着いた、静かな素材」がよく馴染みます。
素材で生み出す「一日の変化」
家の中に「明るい場所」と「落ち着いた暗がりの場所」をつくること。この明暗のバランスを整えることで、住まいは一日の生活リズムに寄り添うものになります。
枚方の家
キッチンは清涼感のある「白」を基調とし、くつろぐためのリビングには「赤土」を塗りました。
用途によって素材を変えることで、自然と気持ちが切り替える空間になります。
藤井寺の子世帯の家
北側のダイニング・キッチンは土壁で落ち着かせ、南側のリビングは白で明るく仕上げました。
隣接する中庭の光をより印象的にみせるための、引き算の設計です。
四日市の家
お施主様のライフスタイルに合わせ、家族が集う場所は白で快活に、この時間を楽しむリビングは土壁で包み込むような落ち着きをもたせています。
気分で居場所を選べる贅沢
壁や天井に土を塗ると、光が吸い込まれるような「静」の空間が出来上がります。
その時の気分によって、明るい場所で過ごしたり、静かな暗がりで落ち着いたり。素材を使い分けることで、暮らしのシーンは豊かな彩りが生まれるのです。





