この縁は昔によくある典型的なもの。
この住まいには茶室があり、
お茶に訪れる人は、玄関から通り土間をくぐり抜け、中庭を通り縁側から茶室へとアプローチする。
写真で説明する方がわかりやすいかな。
玄関を入ると、土間になっていて、左には住人用の内玄関があって、まっすぐ奥には写真の通り、モミジがある中庭へ。
中庭の飛び石を渡っていくと奥に縁があるのですが、そこからお客さんは入って奥の8帖間の茶室へ行きます。
住人と茶に訪れる人の動線が交わらないようにしています。
茶に来る人も中庭のモミジを見ながら茶室に入るのも風情があっていい。
8畳間の茶室の建具には雪見障子を設けているので、座っても中庭、縁側の様子を見ることができます。
また、北側の茶室ではあるが、中庭からの南の光が入り暗くない。
昔ながらの京町家の鰻の寝床の手法を利用してます。
風も入るし、さらに庭に水をやると、打ち水(水が蒸発する際に廻りの熱を奪う)になり、ひんやりとした空気を得ることができます。
それほど大きくはない中庭だが、誰にも干渉されない贅沢な空間で、ぼーとくつろげる縁になっています。
水屋も吉野の赤杉を使ってます。
杉の赤みはどの材よりも美しい。