籠らせる空間も大事

南面に開放的な庭があり、この環境の良い南側にできる限り広々としたLDK空間を作りたいと思うのは通例だと思います。

でもでもちょっと注意してください。
欲張って、開放的、明るいばかり考えてはいけません。

開放的、明るいだけの空間だけでは賄えない時があります。
何か落ち込んだり、考え事をしたり疲れているときには少し籠れるところや死角のあるところでゆっくりしたいときもあるのです。

そういう場を作っておくことは必要なのです。

かりゆしの家の南庭側を見たLDKの写真です。
写真の「この壁」が今回のキーとなる壁です。

ちょっと平面図を見てみます。

壁をなくすと視界が開き、庭が一面に見えるLDKになり、より広がりのある明るい空間になります。
図面を見ると、この壁とりたくなりますね。

でもでも、あえてこの壁を設けることで死角になるところ作っています。
奥様の目を盗んで、寝ころんだりしてだらだらしたいときもあります。

ここに壁があることで、この上がり畳は少し籠った空間になります。
写真をみるとなんとなく籠った感じはご理解してもらるかとおもいます。

出来上がるとこういった籠った空間の良さはわかるのですが、図面で打ち合わせをしているときは、
「開放的、明るく」ばかりが目にいきがちなのです。

また、反対側のソファーにおいても壁があることで、安心感がありくつろげるのです。

生活するのなかで、色んな精神状態の時にでも対応できる空間を作っておくことは大切で家族円満にとってもとても大切なことかなと思います。