塗り壁は既調合品よりもオリジナルな塗り壁を職人さんに

左官屋さんのところへ行ってきました。
お施主さまと一緒に色んな塗り壁を見学させてもらいました。

既成品の塗り壁ではなく、好きな質感、色の外壁材を使ってみたいので見本を作ってもらいました。

白セメント、砂、石灰、色粉に藁すさを混ぜて作るモルタル掻き落としの仕上げを作ってもらいました。
これは昔からある外壁の仕上げのひとつでやわらかい雰囲気の塗り壁ですのでよく利用しています。


メーカーが商品として提供しているものではなく、ごく身近な材料で左官屋さんが塗る地の気温などを見て、調合するので経験値と技術は要しますが、材旅費は比較的安くなるのでオリジナルな壁に仕上げることができます。


色粉を混ぜて砂や土のような雰囲気に似たものもみせてもらいました。
土は雨には強くないので、外壁に利用するときはこのセメント系のものがちょうどいいかなと思います。

あと、今回注目したのが、土を使った「糊ごね」


私はよく室内に中塗り仕上げを採用するのですが、
中塗りは土、山砂、藁に水を混ぜて塗るのですが、糊ごねは水は使わず、代わりにふのりを使います。

見た目にどう変わってくるのかというと、土の表情がきめ細かな色合いになるのと、糊を入れるのでぼろぼろと取れることがなくとても固いです。

個人的な感想としては、中塗りよりも少し細かい割れ模様を作れるので表情が面白いなと思いました。
コストアップにもなるので、特に面白い表情を出したいところにはぜひ使ってみたいです。


上の写真は玉砂利洗い出しといって、
昔の家の土間にこんな感じのもの見たことあると思いますが、砂利を敷き固めたものです。

この玉砂利洗い出しは色んな地域の石があって、それぞれ形、色、大きさが違うのでオリジナリティの土間にできるので面白いです。

石を敷き並べるまでもなく、かといってモルタルでシンプルに仕上がるのも何か味気ないときはこの玉砂利洗い出しを使ったりします。

四日市の家の土間


今は昔と違って、塗り壁といってもメーカーの既調合品が主流で、袋を開けて水を混ぜて塗るだけのものが多いのだけど、

この既成品のよいところはどの左官屋さんが塗っても間違いのない同じ表情の壁ができるというところなんですが、

私は、お施主様の趣味やその地域の風土に合わせたり、気温湿度によって素材を足したり引いたりして経験値からくる左官屋さんが調合した昔ながらのオリジナリティの左官が好きです。

左官屋さんの個性ある技術もみてもらいたいし。