登り梁・垂木の製材の写真を送ってくれました。
西宮の家では、LDKの室内に登り梁を幅60mm高さ150mmが455mm間隔で見えるようにしました。
天井がすっきりきれいに見えるように、登り梁には節の少ない木を製材側にお願いしました。
節の少ない木の製材過程は
節の多少を気にしない下地材(一等材)とは全く違うのです。
ちょっと登り梁の製材写真で見てみると、
幅60mm高さ150mmの登り梁ですが、実際の木はとても大きな丸太から節がない部分を贅沢に木取りをしていくのです。
とても贅沢な感じがします。
丸太の断面をじっくり見てみると、かなり目が詰まっていて(年輪と年輪の間が狭い)年輪を数えてみると60個つまり約60~70年生だとわかりました。
戦後すぐに植えられた木がこうして今回の家づくりに使うことになるのですが、考え深いですね。
目が詰まってる(年輪と年輪の隙間が小さい)ということは一年に育つ量が小さいということなのですが、家づくりに使う木としては、目が詰まった木を使う方が強度も高いのです。
丸太の大きさで強度の大小が決まるわけではなく、年輪が詰まっているつまり育った年数の方が関係深いです。
木に枝があるように、当然のように家づくりに使う木にも節があるのですが、木をどのように切断するかによって節の少ないキレイな材を得ることができるのです。
どこまで削れば節がでるのか想定しながら、丸太の外側から徐々に加工していくのです。まさしく職人技。
写真のとおり、節がでてきてない。
おみごとです。
60×150の大きさに整形し、表面をキレイにして登り梁の完了です。
残った材は節の具合にもよりますが、家の表面に見えてこない梁や柱、その他下地材などに使われます。
贅沢に木取りをしても、残った丸太を無駄なく利用することも大事で、下地材も同じ木からとれたものを同じ家に使うほうがいいのです。
かなりきれいです。
この材は写真で見る方向には節がないですが、反対側には節があるのです。
部屋からよく見えるところだけを狙ってきれいな面の木を見せるようにしてます。
このように、木をどのように見せるかによって製材の仕方は変わってくるのです。
そして、見てもらった通り、キレイな木に仕上げるにはそれなりの手間が掛ってきます。
ということは節の大小を選ばない一等材とくらべて少々コストも掛ります。
そのため、木においても「適材適所」、木のどこを見せてどこを隠すかメリハリをつけることが肝心だと思います。
木の見せ方をより良くすることは、設計者だけでできることでもなく、製材側とのお互いの取組を理解し、協力がなければできないことだと思います。
顔の見える「国産の木を使った家づくり」だからこそできる唯一のことです。
完成時の写真です。
登り梁が等間隔にきれいに並んでダイナミックで開放的なLDKになったと思います。