この度7/19(土)20(日)京都市左京区で完成見学会をさせて頂けることになりました。
am10:00~15:00までの一時間単位での予約制とさせて頂きます。
申込みメッセージ欄にご希望のお時間を明記してください。
場所 京都府京都市左京区修学院
車でお越しの場合 名神自動車道京都東出口から車で30分
電車でお越しの場合 叡山電鉄本線 三宅八幡駅 徒歩17分
駅までお迎えにいくことは可能です。
※お申し込み頂いた方に見学会の詳細及び地図を送らせて頂きます。
できるだけ少人数でのご見学にするためご希望のお時間がすぐに埋まってしまう恐れがありますので、お早い目のお申し込みよろしくお願いします。
家づくりについて
今回の家づくりは京都市の北東部、比叡山の麓に位置した緑が豊かな地域で、修学院離宮から想像できる歴史ある地域です。
京都市の風致条例の中でも最も条件が厳しい地域で、
屋根は日本瓦、外壁は漆喰または土壁、正面は下屋根を設けること、色の指定もありで素材に対しても厳しく
建蔽率30%以下、容積率50%以下、緑地率30%以上でこれを見ると、建物を小さくむしろ庭を大きくしないといけないなかなかの条件です。
敷地面積がそれほど大きくはないため、この建蔽率30%というのはとても厳しかったです。
建蔽率29.78%でぎりぎりです。
容積率も下屋根を作らないといけない条件の上に50%ですので、建蔽率と容積率両方を気にしながら取り組みました。ちなみに容積率は49.68%でこれも小数点での勝負でした。
「下屋根をつくらないということ」は京都らしい感じがします。
下屋根を・・・を置き換えると、軒を目線の近くでみることができることを意味していて
軒の美しさを表現しなさいということかなと理解しました。
後に紹介しますが、下屋根の軒先には京町屋には欠かせない一文字瓦を採用して軒をキレイも見えるような素材や納まりにしています。
素材
風致地区の条件もありますが、修学院のこの地域に馴染むように屋根には瓦、外壁には漆喰を採用しました。
私が設計士としての駆け出しのころはこの組み合わせは当たり前のように使っていたのですが、今では珍しい懐かし仕上げになっています。
瓦が淡路のいぶしの日本瓦で下屋根の軒先瓦には一文字瓦を使っています。
大屋根の軒先は桟瓦をそのまま伸ばして、よりシンプルな仕上がりになっています。
室内において、
床はいつもの杉赤の節ありのフローリングで2階メインのLDKには私が最も好きな赤杉の柾目の板を使いました。
杉の赤の柾目は杉材の最もいい部分だけを使ったもので、トロみたいな感じです。
素性がいい部分でもあるのでよく建具などに使われることが多いです。
壁のメインは土壁の中塗り仕上げで、浅葱土と赤土を使っています。
天井にも土壁を多く使っていて、土に囲まれた空間は独特の落ち着きのあるものになっています。
写真で見ると暗い雰囲気しか伝わらないかもしれませんが、体感すると空間の良さは伝わると思います。
木、土、紙の自然素材と職人技術が相まった普遍的な空間の写真だなと。
(工事途中で養生テープ写っていてごめんなさい。)
懐かしいアイテム
肘掛欄干
2階リビングの窓際には京都らしい肘掛欄干があります。
欄干と言われてもよくわからないと思うのですが、わかりやすく言えば肘掛手摺です。
少し前のめりで景色を楽しみことができるもので、大工さんの粋な納まりがなんとも言えない良さがあります。
簾戸
窓の内側や建具の一部に簾戸を採用しています。
今の時期涼しく感じるアイテムですね。
障子
今回障子紙には京都綾部でご活躍のハタノワタルの手漉きの紙を使っています。
昼は南から入る光によって紙がキラキラと輝く姿と夜には落ち着ける影を与えてくれるのでとてもいいものになりました。
庭
庭工事が現在進行中です。
今回も愛知から小笠原庭園さんが来て頂きました。
小笠原さんの庭は建物との調和を意識しながら、石のアプローチと緑を使って自然を感じれる気持ちいい空間にしてくれています。
今回の庭は白川石のアプローチにモミジをメインにした植栽と地面には雰囲気のあるスギゴケを採用しています。
1階の書斎から見る庭、寝室から見る庭それぞれの居場所から赤杉の板塀を背景として植栽を楽しめるように意識しています。
また二階のメインのダイニングキッチンは京都市内を見下ろせる借景が素敵で、それを添えるように植栽も少し見えるようにしました。
最後に
施工例の写真で建物を見てもらうことはできますが、
杉の床の足ざわり、土壁の心地よい空間、木の美しさなど素材からくる質感を皆様に感じてほしいと思っています。
ですので、家を建てる建てない関係なく、ご興味がありましたら、空間を体感してほしいです。
それで今後の皆様の暮らしが少しでも快適になり、家族が楽しく暮らしてもらえたら幸いです。
心よりお持ちしています。