土壁の断熱なんて期待しない。付加断熱で土のよさを活かす。

土壁の家って寒いと印象がありますよね?

昔からの土壁の日本家屋は断熱材というものもなく、身近にあるなかで、使えそうな土だけで断熱していました。
屋根もしかりで、屋根に土をたくさん盛ることで断熱をしていたのですが、震災の際に屋根が重たいことにより、屋根から沈み込む建物が多く見られました。

土で断熱って無理があるんでしょうね。

そもそも現代の断熱材と比べると、1/20の断熱性しかないので、そら寒いですよね。

それでも暮らせていけていたのは、土の蓄熱性のおかげなんだと思います。
昔は、今と違って、囲炉裏や暖炉で長時間火を焚いて、生活していて、土の蓄熱性のおかげで、熱が逃げにくかったのでしょう。
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今回は壁の土の外側に高性能のポリスチレンの3種(スタイロEX 熱伝導率 0.024W/mK)の断熱材を入れてます。

土には断熱させない。土は調湿性と蓄熱性のみを期待する。
この考えです。

土壁に付加断熱を入れると、断熱性能が上がるだけでなくて、
より土の「蓄熱性」もより活きたものになるんです。

冬の場合
蓄熱された壁は断熱材のおかげで、熱が逃げにくくなるため、少ないエネルギーで、安定した室内環境を得ることができる。

外部の気温の変化に左右されることなく、緩やかで生活しやすい室内の温熱環境を得ることができる。

夏の場合
断熱材のない土壁は夏の日射にのより土は暖められ、夜に部屋内へ暖気は流れるんですが、
断熱材を入れることにより、土が暖まることもない。

夏は湿気を取り除いてくれて快適ではあるが、冬は寒い従来の土壁は心配なくなり、四季を通じて快適です。

断熱材の上には耐力壁でもあるモイスを張ってます。
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従来は壁の耐力は筋交いを利用していたのですが、筋かい部分に土が塗れない、竹が入れにくいこともあり、面材の耐力壁を利用することにしました。

また、モイスは調湿性があるので、壁体内の湿気や結露を通気層へ逃がすことができるので、安心です。

このあとは、通気層の胴縁を張って、その上にそとん壁を塗るための下地、バラ板、ラス、左官下地、仕上げとなかなか工程の多い外壁ですが、やるだけの価値は大アリです。
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