無垢板と合板の変化の違い

大阪の箕面のちょっと北に上がったところにある能勢で完成見学会に参加しました。

このお家は、構造骨組みだけをお手伝いさせて頂いた物件で、力の流れをできるだけシンプルにした建物になっています。

沢山の方々が見学会に参加して頂き、いろんな方とお話することができました。

いつも、お客さんのお話から学ぶことが多く、

今回の気づきとして、木とは何か?つまり無垢板とよくメーカの住宅に見る合板との違いがわからない方が私の想像しているよりも、非常に多いということでした。

以前にもお話させていただいたので、詳しく知りたい方は、こちらをみてください。

合板のフローリングも無垢のフローリングも表から見ると似たようなもので違いがあまりよく分かりません。

わかりやすくいえば、育っているときの木の機能をもったままフローリングとなったものが無垢、そうでないものが合板です。

合板フローリング。3mm厚の合板が何枚も接着されていて、表面に薄い無垢の板を1mm厚くらいにスライスしたものが貼り付けられています。

7年経った時の合板フローリング。

合板と表面の板とが接着剤で貼り付けラ得ていたのですが、表面が剥がれて中の合板が見えています。

張りたての、ヒノキの無垢のフローリング。

7年後のヒノキの無垢フローリング。

この違いを見ればどちらのフローリングを使ったほうがいいのか、簡単に答えがでると思います。

後の変化を考えて選ぶこともけっこう重要ですよ。

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国産の木を使う理由

日本の国土の2/3が森林で、世界の先進国をみても、フィンランド、スウェーデンに次いで第3位の森林大国なんです。

「エコの国」として有名なドイツでさえ国土の1/3しか森林面積がないのです。
皆さんご存知でした?

私たちの世代では、生まれた時から緑が身近にあって、森があるのが当たり前なんですよね。

しかし、海外ではそうではありません。
乾燥が激しく、一度植物が途絶えればたちまち砂漠化してしまう場所が多く存在します。
そう考えると、私たちはとても恵まれた環境で育っているのです。

日本の森林は約2500万haあって、そのうち約1300万ha(約5割)が天然林、1000万ha(約4割)が人工林、残りが無立木地、竹林です。

その約4割の人工林は戦後、後の日本の資源として植えられたのです。
木を伐採し、その伐採した場所に苗木を植え、伐採した木は資源として利用して有効に利用してきたのです。
しかし、この豊かな日本の森林が危機的な事態に陥っています。

木は50年~60年くらい月日が経って、家の柱や梁として使うことができます。
戦後に植えられ、多くの人によって育てられた木が使うことができるまでに成長しました。

地産地消で日本の森は需要と供給のバランスを保ってきたのですが、
高度成長期を機会に「商品化としての量産の家づくり」が増え、ピンチヒッターだったはずの輸入木材にシェアを奪われてしまったのです。

せっかく育った日本の木が使われなくなったのです。

では、「放っておいても育つんじゃないの?」と思うかもしれませんが、人の手によって植えられた木は、人が手を入れてあげないとちゃんと育ちません。
山に関わる人たちは、木材が売れないとを育てることさえもできません。

手入れされず、荒れ放題になった人工林はやせ細った木ばかりとなり、根が弱まり、保水力を失ってしまい土砂崩れなどを引き起こす原因にもなっています。

これから数十年後、日本の森はどうなってしまうのでしょうか?
建築に携わる私たちが未来にできることは家づくりに日本の木を使うことなのです。

家づくりに使う木は、気候と向き合って育った国産の木を使うことが一番自然で適正ではないかと思います。
>>家づくりに使う木
>>無垢板のススメ
>>木にもイロイロ「無垢板と合板のちがい」

>>国産の木「杉」について
>>国産の木「桧」について
>>国産の木「松」について


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日本の山の現状

日本の林業の歴史、森林の現状

木材関係の人が書くとやらしくなるので、私のほうから。

日本は戦争に敗れ、昭和20年~30年代には、復興等のため、木材需要が急増しました。

というのも、その当時はガス、電気、石油といったものはなく、火を熾すのには木しかなかったのです。

しかし、戦争中の乱伐や自然災害等の理由で供給が十分に追いつかず、木材が不足し、高騰を続けていました。

このため、政府は急速に資源を使えるようにするため、焼け野原にスギやヒノキ、カラマツ、アカマツなど成長が比較的早く、経済的に価値の高い針葉樹を植えました。

その当時の家庭燃料は木炭や薪が中心で木は多く利用されましたが、後に電気・ガス・石油に大きく切り替わっていき、木炭や薪などのエネルギー源として利用されていた木材は、この燃料革命とともに、もはやエネルギー源としては時代に適さないと考えられるようになりました。

木は資源だけでなく、建築用材等にもたくさん使われ、スギやヒノキといった木材の需要は急激に伸びましが、、木材輸入の自由化が段階的にスタートし、昭和39年に木材輸入は全面自由化となりました。

国産材の価格が高騰する一方で外材(外国産の木材)の輸入が本格的に始まったのです。

外材は国産材と比べて安く、かつ大量のロットで安定的に供給(一度にまとまった量を)供給できるというメリットがあるため、需要が高まり、輸入量が 年々増大していきました。しかも、昭和50年代には、変動相場制になり、1ドル=360円の時代は終わました。その後、円高が進み、海外の製品がますます 入手しやすくなったのです。

これらの影響で、昭和55年頃をピークに国産材の価格は落ち続け、日本の林業経営は苦しくなっていきました。昭和30年には木材の自給率が9割以上であったものが、今では2割まで落ち込んでいます。

日本は国土面積の67%を森林が占める世界有数の森林大国ですが、供給されている木材の8割は外国からの輸入に頼っているといういびつな現状になっています。

そんなに木が有り余っているのになぜ輸入しなければいけないか?不思議に思いませんか?

現在、山を管理する費用も回収できず、林業はすっかり衰退してしまいました。

現在、日本の森林は充分な手入れがなされず、荒廃が目立つようになりました。

そもそも木を切ることが環境破壊だと思っている方多いと思います。

それは少し違うんですよ。

山は育てないと育ちません。

育てるということは、人が手を入れてやる必要があるのです。

そのためにも、木を燃料や家などに使ってあげないといけないのです。

そして、その切った場所に新しい芽を植えて、育てていくのです。

森林を伐採し、植えて、育てる、そして伐採するというサイクルを回すためには、国産材を積極的に利用し、需要を高め、資金を山に還元する必要があります。

人と同じで、木もいい環境のなかで、手間暇かけて育ててあげなければいけないのです。

山は産業してだけでなく、台風等の被害や土砂災害をせきとめてくれます。

以前にも話しましたが、二酸化炭素を吸収し、酸素を供給してくれます。

山は私たちが生きる上で、欠かせないものなのです。



林業で働く人たちは危険な仕事にも関わらず、「仕事」してのくくりに留まらず、日本の国の責務として取り組んでいるのです。

みなさん、危険を顧みず、責務として取り組めますか?

なかなかできることではないと私は思います。

かといって、みなさんに同情で国産の木を使ってもらいたいという訳ではありません。

これらは林業、そして家を扱う建築士、工務店の責務だと思います。

そのあたりは長くなりそうなので、次回に。

ちょっと主観的で感情的な文章になってしまいましたが、書きなおす体力残っていませんので、勘弁して下さい。

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森から始まる家づくりレポート2(製材編)

前回は、家づくりに使う木の「森での作業の様子」をお伝えしました。今回はその続きです。

チェーンソーで倒された丸太は、トラックで製材所に運ばれてきます。

運ばれた丸太をすぐに四角に加工するのでなく、切りたての丸太は水分をとても多く含んでいるので、家づくりに使えるように水分を抜いてあげないといけないのです。そのため、しばらくの間、下の写真のように、お日さんに当てて乾かしててあげるのです。

ちょっと余談ですが、製材所で非常に大きい丸太を見つけました。お話を聞くと、300歳の杉らしいです。私の曾曾祖父(ひいひいおじいちゃん)、もしくは曾曾祖母(ひいひいおばあちゃん)ってところですね。

すごい。

お日さんで、ある程度乾かされた丸太は、家づくりで使えるように四角に製材されます。

森で木を伐採して家づくりに使える木になるまでの過程を見ると、自然のものから造られているんだと実感できます。

丸太は一本一本、大きさや木目(目が密になっていると強い)が違うので、それをを目利きして、家づくりの柱や梁など、どの部分に使用できるかを選別します。

丸太をそつなく切断して、有効な建築部材を造れるかが、製材者さんの腕の見せどころです。

四角に切られた木はまだ、水分が抜けきっていないので、次は乾燥機に入れて乾かします。

乾燥機を使わず、このままお日さんで家づくりに使えるまで乾かしてもいいのですが、そうなるとかなりの時間が掛ってしまいます。

時間的に余裕があれば色合いがきれいなので利用してもいいかもしれません。今は、乾燥機も技術が発展しているため、木の色見も綺麗に仕上がりますので、十分だと思います。

上の右の写真は乾燥機で乾かして、家づくり使えるようになった桧の土台の写真。

下写真は杉のフローリング。以前ご紹介した住まいで見て頂いた杉のフローリングのものと似てますよね。

このように加工された木たちは私たちの待つ町に運ばれ、引き続き、大工さんがノミやのこぎり、かんななど、いろんな道具を使って木組みを造っていきます。

この話はまた次回お伝えしますね。

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7年目の住まい「桧の変化」

先日、七年前にリフォームさせて頂いた、お家に伺いました。

無垢板 のフローリングの変化があまりにも綺麗だったので、みなさんにも見て頂こうと思います。

ご夫婦と小さなお子さんの3人住まいで、ご夫婦は共働きで、奥さんも、なかなか掃除をする暇がないくらいとても忙しい方なんです。

フローリングのワックス も完成時に一度塗ったきりで、それ以降全く塗られてないし、掃除と言っても、掃除機でほこりを吸い取るくらいみたいです。

そんな話を聞いていたので、どんな感じになっているのか少し心配で訪問させて頂いたのですが、掃除をあまりされてないとは全く感じさせない綺麗さでした。

下の写真は の床をアップで撮ったものですが、ワックスを7年前に塗ったきりとは思えない艶です。

お話を聞いてみると、よくご近所のお子さんが遊びに来るそうで、走り回ったり、寝そべったりすることが多いとか。だから、自然とフローリングが磨かれて、こんなに艶がでたのだと思いました。

また、無垢のフローリングは静電気がなくホコリが浮くので、掃除しやすいと仰っていました。

下のフローリングの写真はリフォーム時に張り終えた時のもので、7年生活した上の写真と比べると、まるで別ものような色に変化しています。以前お話した、「桧の黄金色」とはまさしくこれのことです。やはり自然に変化した色は、人工的な色よりも美しいです。

下の写真、お子さんがお母さんに書いた絵。

ちょっとかわいすぎますね。なんか「かあちゃん」という文字にじ~んときちゃいます。けっこうお母さんに似てます。この子将来画家になるかも(笑)

この住まいは予算の関係でフローリングや壁のクロスを替えたり、照明器具を入れ替えたりするだけの小規模なリフォームでした。

また、後日建築士の仕事については書こうと思っているのですが、建築士はなにも「特別な家」だけを設計する訳ではなく、こういったフローリングを張り替える小規模な工事もしていて、フローリングなど素材の選択や照明など、ご予算に合わせた提案をさせて頂いています。

身近にいる建築士をもっと活用することで、「自分らしい家づくり」はできると思いますよ。

この住まい、杉のフローリングも使っているので、次回は杉の変化をお見せしますね。

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無垢板のススメ

前回からの流れで、今回は「無垢板のススメ」についてお話します。

なぜ、合板フローリングが使われるようになったか?

きっと、今みなさんが木だと思っているものの多くが、実は合板が多いので、どれが無垢板か合板かわからない人がほとんどだと思います。

写真のように断面をみればわかるのですが、表面からみるとわからないですよね。

表面は同じように見えても、木としての機能があるもの(無垢板)、ないもの(合板)とでは、まったく違うものなのです。

なぜ、こういった合板がたくさん使われるようになったかというと、合板は、無垢板のように湿度によって動いたりすることがなく、扱いやすいからです。

そのため、ものを造るのに、都合がよく、さらには安く、木の製品を造ることができるのです。

ただ、これらの製品には、木が本来もつ効果は期待できず、そういう意味でも、合板と無垢材とは全く違うもので、比較できるものではないのです。

また、無垢板が動くのは湿気を吸ったりはいたりしているためで、一本一本それぞれに個性があって、動き方も様々です。

昔から、大工さんは、そういった木の個性を見ぬいて、加工し留めつけていたのです。

よく無垢板を使うと、動いて不都合が起こるのではと心配される方がいらっしゃいますが、熟練された大工さんがしっかり仕事をしてくれるので、大丈夫なのです。

大工さんの仕事については後日書きたいと思いますのでこのあたりで。

あと、無垢板のフローリンは手入れがしずらいのではとご心配される方はいらっしゃいますが、そんなことはありません。

昔と同じで、固く絞った雑巾でたまに拭いてやれば充分です。

ワックスも自然系のものを一度塗るだけで大丈夫です。

こまめに手入れしたい方は、毎年大掃除のときにでも塗り直せばきれいにつやが出ます。

あと、少し傷つきやすいのですが、多少の傷なら、水をつけてやると元にもどリます。

傷は生活していくとあまり気にならないようになりますが、どうしても気になる方は、サンドペーパーの細かいもので、少々削ってください。色が少し変わりますが、月日が経てば周りとなじんできます。

合板の場合はきずがつくとそのままだし、こまめに油性のワックスを塗る必要があるので、無垢板のほうが手入れは簡単だと思います。

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桧について

【桧】ひのき 花言葉「不滅」「不老」「不死」

桧は、杉と同じように、復興を目指す戦後の日本に、たくさん植えられた木で、建築やその他の物づくりに使えるからということで植えられたのです。

杉は生長が早いと書きましたが、桧は杉よりゆっくりと生長します。杉は、養分の多い豊かな土でとても良く育ちますが、桧もそうかと言えば、ちょっと違います。桧はあまり栄養や水分の多い肥えた土に植えると、逆に病気になってしまうこともあるんです。

だから、桧は杉よりもやや痩せた土地にたくさん植えられました。ちなみに、もっと痩せた土地で育つのは松なんですが、松についてはまた書きますね。

ゆっくりと育つ分、細胞が密でキメ細かいため、杉と比べると重たくてかたいのが桧の特徴。密度が高い分、強度も高く、色も白いので、昔から高級材として大事に使われてきました。

木の中心部分「心材」(赤く色がついている部分)は虫や水に強いので、「土台」「大引き」「根太」といった、家の重要な部分に使われてきました。

何百年も前に建立された神社や仏閣にも主に檜が使用され、「桧だからこそ」と言われる程、世界的に見ても、とても優れた木材です。

1400年前に建てられた世界最古の建設物「法隆寺」もすべて桧から造られてるんですよ。

その質の高さから、昔から高級材として扱われてきた桧ですが、今では比較的リーズナブルに使うことができるので、構造部分だけでなく、フローリングや壁板などにもたくさんの桧を使われています。

杉よりかたく、傷が付きにくいので、リビングや客間など、使用頻度の高い場所や来客を意識した部屋の床には、桧がお勧めかも知れませんね。

さらに、浴槽や桶、舟などにも使われてきた桧は、水にとても強いので、浴室や洗面所、台所などの水回りにも使えます。

ただ、かたい分、衝撃を緩和しずらく、杉よりも表面に冷たさを感じるのも桧です。温度を吸収したり、衝撃を和らげるといった仕事は、杉より少し苦手といった感じです。

また、桧の特有の香りにはリラックス効果があり、「桧風呂」などは、たくさんの温泉や銭湯で、好んで使われていますよね。桧は香りを楽しむための木でもあります。

油分の多い桧は、年月がたつほどに、光沢をまし、しっとりを色づいていきます。真っ白だった桧は、黄金色に変化しながら住まいに馴染んできます。

とてもいい感じですよ。

使う場所を選択して、上手に使いたい素材ですね。

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