格子のススメ

昔の家、特に京都の町家によく見ることができる格子。
窓先に取りつけたり、装飾的な効果もあるため欄間や襖、障子等の内部建具にも付けられていました。

でも、最近ではあまり見かけなくなりました。
なんでだろ??手間暇がかかるからかな。

周期的に木が並んでいる姿はとっても美しいです。

見た目のデザイン性から生まれたわけでなく、室内の採光と通風を確保しつつ、外部からの進入と視界を制限できる効果としての機能から生まれたものなのです。

日本人は昔から、家の中でも外の風景を楽しむといった、家の中にまで自然を取り込む習性にあります。
そのための手段として、格子は大変役に立つアイテムなのです。

規則正しく並んだ格子の影や反射した光はとても風情があってなぜか癒される。
夜になると、室内の明かりが外の格子を照らし、建物が行燈のような雰囲気がでます。

格子こそ機能美だと思います。

以前の施工例

>>光や風、自然を取り込む家 土壁

国産の木を使う理由

日本の国土の2/3が森林で、世界の先進国をみても、フィンランド、スウェーデンに次いで第3位の森林大国なんです。

「エコの国」として有名なドイツでさえ国土の1/3しか森林面積がないのです。
皆さんご存知でした?

私たちの世代では、生まれた時から緑が身近にあって、森があるのが当たり前なんですよね。

しかし、海外ではそうではありません。
乾燥が激しく、一度植物が途絶えればたちまち砂漠化してしまう場所が多く存在します。
そう考えると、私たちはとても恵まれた環境で育っているのです。

日本の森林は約2500万haあって、そのうち約1300万ha(約5割)が天然林、1000万ha(約4割)が人工林、残りが無立木地、竹林です。

その約4割の人工林は戦後、後の日本の資源として植えられたのです。
木を伐採し、その伐採した場所に苗木を植え、伐採した木は資源として利用して有効に利用してきたのです。
しかし、この豊かな日本の森林が危機的な事態に陥っています。

木は50年~60年くらい月日が経って、家の柱や梁として使うことができます。
戦後に植えられ、多くの人によって育てられた木が使うことができるまでに成長しました。

地産地消で日本の森は需要と供給のバランスを保ってきたのですが、
高度成長期を機会に「商品化としての量産の家づくり」が増え、ピンチヒッターだったはずの輸入木材にシェアを奪われてしまったのです。

せっかく育った日本の木が使われなくなったのです。

では、「放っておいても育つんじゃないの?」と思うかもしれませんが、人の手によって植えられた木は、人が手を入れてあげないとちゃんと育ちません。
山に関わる人たちは、木材が売れないとを育てることさえもできません。

手入れされず、荒れ放題になった人工林はやせ細った木ばかりとなり、根が弱まり、保水力を失ってしまい土砂崩れなどを引き起こす原因にもなっています。

これから数十年後、日本の森はどうなってしまうのでしょうか?
建築に携わる私たちが未来にできることは家づくりに日本の木を使うことなのです。

家づくりに使う木は、気候と向き合って育った国産の木を使うことが一番自然で適正ではないかと思います。
>>家づくりに使う木
>>無垢板のススメ
>>木にもイロイロ「無垢板と合板のちがい」

>>国産の木「杉」について
>>国産の木「桧」について
>>国産の木「松」について


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和についてちょっと。

「和」を辞書で調べてみると、①和らぐ(やわらぐ)、和む(なごむ)②日本的なのも③足す、加える④混ぜる

といったことが書いてあるのですが、

これらを要約すると、「和」とは日本伝統的なものだけでなく、いろんな要素を混ざり合って、心が和むものをつくりだすことを意味しているように思います。

日本の歴史でいえば、常に海外からの影響を受け古代においては中国、近代はヨーロッパ、現代はアメリカの文化やや社会に仕組みを取り入れてきました。

影響を受けるといっても、今の中国のように、そのまま受け入れるのではなく、日本の良さを保ちつつ、「足したり、加えたり」して、自国の新しいものを生み出してきたように思います。

うまく吟味し、発展させるところが、日本の最も優れたところだと思います。

日本は昔から、繊細で清楚な美意識をもち、勤勉で、ものづくりに対して妥協しない姿勢が特徴で、今なお変わらず持ち続けています。

着物や織物、染め物などが代表的で、あの繊細美は日本独特のものでしょう。

最近、いろんなものづくりをする業種の方々と接する機会が多く、「中国に仕事が流れて仕事が減ってきて、今後が心配だ」とお話を聞くのですが、

中国にもアメリカにもできないものがあるはずです。

日本では到底成功しないといわれていた、自動車産業も今では世界一、その他でも今なお日本産のものは高級品として扱われています。

小さな島国では考えられない発展を成し遂げてきたと思います。
お人好しの人種なのですから、交渉能力で勝てる訳がありませんので、すべて技術のおかげでしょう。

短期間のことで考えれば、しんどいかもしれませんが、モノの価値観はやはり自国でしか生めないものだと私は思います。

自分の又自国の技術を信じ邁進してほしいなと思います。

それが日本って国なんですから。

今日はちょっと大きな話題でした。

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障子のススメ

こんにちは、水谷です。

今回ご紹介するのは先人の知恵「障子」。

 

ガラスは壁と比べて熱を伝えやすいので、ガラス面が多くなればなるほど、断熱性は低下します。
しかし、窓は風通しや日射など、周囲の自然環境を取り入れるためには不可欠なもので、少なくしたり、小さくしたりでいないものです。

そこで、ガラスの性能をより高い「Low-eガラス」を使うことは標準として、さらに断熱性能をあげる有効な手段として、昔からある「障子」が使えるのです。

例えば、冬の場合、外部の冷たい風が窓から室内に入るのを遮ったり、暖房した温かい空気を逃さない役割をしてくれるのです。

夏の場合は、強い日射を緩和してくれるのです。

夏の暑さの原因となる「日射し」を断つことは、とても重要で、障子以外にも「軒」(のき)や「庇」(ひさし)、「簾」(すだれ)などがその役目を果たしてくれます。

障子がちょっと和のイメージが強すぎて嫌という方は、断熱性が高く、見た目がシンプルなハニカムスクリーンがお勧めです。ハニカムブラインドはまた別の機会にご紹介します

ちなみに私は「雪見障子」と言って、障子が上下に開くようになっており、開いたところにガラスが入っていてるタイプの障子が障子が好きです。

炬燵(こたつ)に入りながら、外の庭の雪を見られるので「雪見障子」と呼ぶのです。

夕日越しの障子の風合いもいいですよね。

下の写真はshun_sさんからお借りしたものなのですが、情緒あふれるいい写真ですよね。

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京町家から学ぶ「通り庭」のススメ

今回は、私がよく取り入れる「通り庭」をご紹介します

「通り庭」って、ご存じですか?

通り庭は、京都の町家で見ることができ、玄関から裏庭までの土間の部分のことをさします。(間取り図参照)

京都の町家は、「ウナギの寝床」と表現されるように、敷地の幅が狭く奥行きが長いため、そのまま縦長に建物を造ってしまうと、それぞれの部屋に満遍なく光や風を取り込むことができないのです

そのため、どの部屋にも光や風が奥まで入り込めるようにするために、「中庭」や「通り庭」が造られたのです。

通り庭の一部には台所があるのですが、(間取り図参照)
当時は石釜で木を燃やして火をおこしていたため、台所を土間がある通り庭に設けていたのです。

また、台所の上部には、火袋といわれる吹き抜けがあって、天井にある天窓から煙を外に逃がしていました。
そういえば、私のおばあちゃんの家も台所は土間にありました。

当時は今のように冷暖房や換気設備がないので、
建物を工夫する知恵で、自然の力をうまく取り入れることで快適に暮らしていたのです。

■知恵で作られた通り庭

靴を脱がずに通り抜けできるため、人の出入りや商品の搬入などがスムーズにできる。

風の通り道としての役割があり、新鮮な空気を出し入れができる。

室内の奥まで光を採り入れることができる。

といったメリットは現在の家でも充分取り入れることができますよね。

今省エネやエコといったことをよく耳にすると思うのですが、暑さや寒さをがまんしたり、省エネ器具に頼らなくても、建物の工夫でできることもあるのです。

キッチンを土間にというのは、今ではちょっと難しいですが、通り庭のような半外部的な土間やアプローチは有効だと思います。

また、少し距離の長い通り庭や玄関アプローチの足元に咲く四季の花を眺めながら帰宅するのも趣があっていいと思うのですが。

すこし心に余裕もてる空間はいかがです?

図面及び上部写真は京都町家資料館さんから転載したものです。

「通り庭、玄関アプローチ」施工例


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