京町家から学ぶ「通り庭」のススメ

今回は、私がよく取り入れる「通り庭」をご紹介します

「通り庭」って、ご存じですか?

通り庭は、京都の町家で見ることができ、玄関から裏庭までの土間の部分のことをさします。(間取り図参照)

京都の町家は、「ウナギの寝床」と表現されるように、敷地の幅が狭く奥行きが長いため、そのまま縦長に建物を造ってしまうと、それぞれの部屋に満遍なく光や風を取り込むことができないのです

そのため、どの部屋にも光や風が奥まで入り込めるようにするために、「中庭」や「通り庭」が造られたのです。

通り庭の一部には台所があるのですが、(間取り図参照)
当時は石釜で木を燃やして火をおこしていたため、台所を土間がある通り庭に設けていたのです。

また、台所の上部には、火袋といわれる吹き抜けがあって、天井にある天窓から煙を外に逃がしていました。
そういえば、私のおばあちゃんの家も台所は土間にありました。

当時は今のように冷暖房や換気設備がないので、
建物を工夫する知恵で、自然の力をうまく取り入れることで快適に暮らしていたのです。

■知恵で作られた通り庭

靴を脱がずに通り抜けできるため、人の出入りや商品の搬入などがスムーズにできる。

風の通り道としての役割があり、新鮮な空気を出し入れができる。

室内の奥まで光を採り入れることができる。

といったメリットは現在の家でも充分取り入れることができますよね。

今省エネやエコといったことをよく耳にすると思うのですが、暑さや寒さをがまんしたり、省エネ器具に頼らなくても、建物の工夫でできることもあるのです。

キッチンを土間にというのは、今ではちょっと難しいですが、通り庭のような半外部的な土間やアプローチは有効だと思います。

また、少し距離の長い通り庭や玄関アプローチの足元に咲く四季の花を眺めながら帰宅するのも趣があっていいと思うのですが。

すこし心に余裕もてる空間はいかがです?

図面及び上部写真は京都町家資料館さんから転載したものです。

「通り庭、玄関アプローチ」施工例


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