珪藻土 どこの製品がいいの?

珪藻土は「どこの製品のものがいいの?」とご質問を受けたのでこの場をかりてお答えします。

前置きとして、
今は何を調べるのもインターネットですよね。
私も「食べログ」や「amazon」サイトでよく口コミなどを見て「どれが評価高いんだろ」と比較してます。

結局、自分の中で色んな口コミ評価に迷走してしまって、いつも決めきれないんですよね。
買って使って、行って食べて、はじめてわかることとは知っているのですが・・・

珪藻土の塗壁においても例外ではなく、色んなサイトで色んなことが書いてたりします。
それぞれ、置かれてる環境や感性の違いがあるので、抽象的な話では決定的な結論は下せないのです。

やはり、自分好みのものを選ぶためには、本質を理解しておくが一番いいのかなと思います。
今回は珪藻土の何が含まれているかなどの素材の成分を調べてみました。
参考にして頂ければと思います。

粉末製品には、珪藻土そのもの主原料、固化材、着色材、保湿材、その他(珪藻土粒、ゼオライト粒)が含まれています。
それぞれの製品にはこれらの含んでいるものが違います。

主原料

珪藻土は珪藻という植物性プランクトンが大量に沈積し、化石化したもので、掘る場所や地層によって不純物の種類や量、phもことなってくるみたいです。
ですので、○○産の珪藻土と一口に言っても品質は均一ではないのです。
私は、調湿性に期待したいので、日本の風土に適したもの「日本産」を使いたいところです。

製品化された珪藻土の粉末は大別すると、3種類あって
「自然乾燥品」採掘した珪藻土を粉砕・乾燥させたもの。色単黄褐色、黒褐色など
「焼成品」乾燥品を約800℃で焼いたもの 色サーモンピンク
「白色珪藻土」自然乾燥品に食塩、ソーダー灰を少量加え、約1100℃で不純物を燃焼除去したもの。

珪藻土の呼吸性(調湿性)を最大限活かすためには不純物を取り除いたもの「白色珪藻土」がいいように思います。

固化材

塗壁って壁や天井などに塗りつけるのですが、世の中には重力というものが存在するため、壁に素材をあてるだけではくっつかないのです。

壁に紙くっつける時はセロファンテープや押しピンなどがないと貼れないですよね。
それと同じで、塗り壁は壁に塗り固める固化材が必要になってくるのです。

土の場合は、土の結晶の表面にマイナス又はプラスの電気をもっており、結晶どうしが電気的にひきつけ合っているんです。
簡単に言えば土同士の粘着力で引っつきあってるってます。

コンクリートの場合はセメント化合物と水が水和反応をして別の化合物になることで固まります。
「四週強度」ってよく耳にする言葉なんですが、打ち込み後28日経ってはじめて、硬化力が約80%を発現するので、これを基準としてます。

漆喰(しっくい)は上の2つと固まり方が違うんです。
水ではなく、空気中の二酸化炭素と主成分の消石灰が反応してできるのです。(気硬性)
化学反応式はこんなかんじ。 Ca(OH)2+Co2=CaCo3

さあ今回目的の珪藻土。
珪藻土は海底の植物性プランクトン「珪藻の化石」が原料になっています。
珪藻そのものに固まる成分は含んでいないので、「硬化材」を混ぜないといけません。

塗り壁で硬化させるものって4つあって、合成樹脂接着剤
漆喰の成分である消石灰(気硬性)
石膏(水硬性)
セメント(水硬性)

どれかを混ぜ合わせる必要があります。

これらの固化材は次にのべる「調湿性」に大きく関わってくるんです。

調湿性について

kenbi
珪藻土の顕微鏡写真。木炭の穴の何十分の一の小さな穴が無数に空いています。(日本ケイソウド建材HPより引用)
珪藻土には非常に細かい穴が無数に開いており、この穴が湿度の調整その他の効果をもたらすようです。

ですので、先ほどお話しました「固化材」に樹脂系接着材などが使われているものは、珪藻土の穴がふさがれてしまい吸放湿効果が損なわれているものもあるようです。

樹脂を使った商品でもしっかり調湿しているものもあるので、一概にはいえませんが。

注意して欲しいところですが、珪藻土の塗厚は厚くて3mm(下地込)です。
3mmの薄さですと、夏の湿気を取り除いてくれエアコンがいらなくなったり、洗濯物が珪藻土だけで乾くといったまでの容量はありません。

夏の湿気や洗濯物の水分量を考えても、壁の珪藻土の中にすべて吸い込むことは不可能ですよね。
過度の期待はせずに、クロスなどと比較して、調湿性があるくらいにしておいたほうがいいですよ。
目に見えたり、そのもの自体で環境が激変するくらいではないので。土壁を60mm家全体に塗ったら環境は変わると思いますが。

見た目、テクスチャーについて

見た目ですが、左官屋さんの特別な手法を除いて、
一般的なものでは、漆喰のようなツルッとしたものか、聚楽(じゅらく)や土壁のような粒入ものかどちらかです。

粒入りの場合は製品によって、ゼオライトや珪藻土の粒、炭、スサが入っていて、表面に出てくるものがあります。
各製品の見本帳を見て選ぶといいです。

注意したい点として、珪藻土はあくまでも「自然素材」で色も色土を使っているため、微妙な色合いにこだわることはできませんし、色むらも出ます。
珪藻土の調湿性などの性能が高いほど、塗りにくく、見た目も平滑にいかない、呼吸することによって微量の割れが入ることもあります。

色んな模様にできますが、私は1番自然な塗り方をオススメしてます。
というのも壁は面積が大きため、存在感があり、特徴をつけると、壁のテクスチャーで空間が印象づいてしまいます。

素材そのももの活かしたいということ、何十年も暮らしていくために主張のあるものは飽きてくるので避けたい、壁に飾る絵や植栽などがキレイに写したいということもあり、

「目立つ」というよりも「周りを引き立たせてくれる」素材感を大切にするためにも主張のないテクスチャーを選んでます。

見た目だけならはペンキや塗壁調のクロスなどのほうが扱いやすいと思いますが、「機能美」好きも私はオススメしません。

コスト

珪藻土のコストはどこも似通っていて、材料と塗り手間でだいたい3500円~5000円/㎡くらいだと思います。
珪藻土の純度が大きいほど材料もそうですが、塗りにくいので、手間代もも少々変わってきます。

面積が大きくなればそれだけ金額の差もできてくるので、コストバランスも大切です。

自然系のクロスとくらべても2.5倍はしますが、クロスにはない質感が居心地の良い空間を造ってくれるので、せめて玄関・LDKくらいは使いたいところです。

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